海外ジャーナルクラブ
3年前
Dabekaussenらは, 小児, 青年, 若年成人に対するマクロライド系抗菌薬の経口投与が感音性難聴のリスク増加に与える影響を後ろ向き症例対照研究で検討. その結果, 感音性難聴の小児, 青年, および若年成人は, 外来でのマクロライドの経口使用のオッズ比がペニシリンと比較して高いことが明らかとなった. 本研究は, JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌において発表された.
2018年の成人でのシステマティックレビューに続いて, 本研究成果は 「青年, 若年成人に対するマクロライド系抗菌薬の経口投与が感音性難聴に関連する」 という大変興味深い仮説の提唱です. 今後の研究成果を慎重に見極める必要があります.
マクロライド系抗菌薬の静脈内投与や高用量投与による感音性難聴の散発的な発症が報告されているが, 小児, 青年, 若年成人に対する外来経口投与の聴覚への影響に関する検討は限られている.
この後ろ向き症例対照研究において, 感音性難聴の小児, 青年, および若年成人は, 外来でのマクロライド系抗菌薬の経口使用のオッズがペニシリンと比較して高く, 特に, 曝露後180日以上経ってから診断を受けた場合に, その傾向が示唆された. 小児, 青年, 若年成人におけるマクロライドと感音性難聴との関連について, さらなる研究が必要である.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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