海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Dawらは、 小児・思春期・若年成人の再発古典的ホジキンリンパ腫 (cHL) を対象に、 移植を伴わない治療法の有効性および安全性について、 第Ⅱ相単群非無作為化比較試験で評価した。 その結果、 非移植療法における高い代謝学的完全奏効 (CMR) 率および3年EFS率が確認された。 本研究はJAMA Oncolにて発表された。
Single armであること、 サンプルサイズが少ないこと、 フォローアップが3年間と比較的短いことがlimitationとして挙げられています。
小児・思春期・若年成人の再発cHLに対する再治療は、 長期的な毒性のリスクを最小限に抑えながら有効性を維持することが課題となる。
低リスク例においては、 標準治療である高用量化学療法+自家移植に代わり、 病変部位放射線療法 (involved-site radiation therapy : ISRT) が有益な可能性がある。
本試験の対象は5~30歳の小児、 青年、 若年成人で低リスクの再発cHL28例だった。
患者に抗PD-1抗体ニボルマブ+ブレンツキシマブベドチン (BV) による導入療法を4サイクル実施し、 CMRを達成した場合、 ニボルマブ+BVをさらに2サイクル追加で実施した。
一方、 導入療法で奏効が未達成の場合は、 BV+ベンダムスチンによる強化療法を2サイクル実施した。
導入または強化療法後、 CMRを達成した患者には、 さらに30.0~30.6GyのISRTを実施した。
主要評価項目はLugano 2014分類に基づくISRT前のCMR率と、 盲検独立中央判定 (BICR) に基づく3年無イベント生存率 (EFS) の2つであった。 副次評価項目として安全性も評価された。
追跡期間中央値31.9ヵ月 (範囲 2.2-55.3ヵ月) 時点で、 ISRT前のCMR率は93% (90%CI 79.2-98.7%) であり、 客観的奏効率 (ORR) は100%だった。
また、 ニボルマブ+BV併用療法を4サイクル実施後にCMRを達成した患者割合は82%で、 ORR は96.4%だった。
3年EFS率、 3年無増悪生存期間 (PFS) 率のカプランマイヤー推定値は、 それぞれ87% (90%CI 69.5-94.7%)、 95% (90%CI 76.7-99.0) だった。
導入療法実施期間中、 22/28例 (79%) に治療関連有害事象 (TRAE) が発現した。 そのうちGrade3/4のTRAEが7例、 貧血が2例、 好中球減少症が1例、 免疫介在性有害事象 (imAE) が6例に認められた。
投与中止に至った重篤な有害事象 (AE) は2例発現した。
著者らは 「小児、 青年、 若年成人の低リスク再発cHLにおいて、 ニボルマブ+BVおよびISRTを併用した非移植治療法は、 CMR率93%、 3年EFS率87%という良好な成績を示した。 安全性プロファイルは各薬剤の既知のプロファイルと一致していた」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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