海外ジャーナルクラブ
2年前
Simpsonらは、 中等症から重症のアトピー性皮膚炎 (AD) 患者を対象に、 レブリキズマブ (LEB) +ステロイド外用薬 (TCS) 併用療法の有効性と安全性を検討する多施設共同第Ⅲ相臨床試験を実施 (Adhere試験)。 その結果、 LEB+TCSはTCS単独と比較して、 中等症から重症のAD患者の転帰改善と関連し、 安全性はこれまでに報告されたADの試験と一致していた。 本研究は、 JAMA Dermatol誌において発表された。
アトピー性皮膚炎に対するモノクローナル抗体の治療効果を証明した研究が散見されます。 割り付けの2:1というのは数学的に有意差を出しにくいので、 このような割り付けは結果に対する十分な自信の裏付けと言えると思います。 しかしながら、 どの研究においても治療効果が得られなかった患者群が存在することから、 更なる研究成果が期待されます。
IL-13を標的とするレブリキズマブ (以下 LEB)は、 16週間の単剤投与による第Ⅱb相試験および2つの52週間投与の第Ⅲ相試験で、 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者 (以下 AD患者)における有効性と安全性が確認された。
思春期および成人の中等症から重症のAD患者で、 治療割り付け比率は2:1 (LEB:PBO)とした。
・LEB+TCS群
・PBO+TCS群
試験開始時点から2点以上改善したIGAスコア0または1を達成した患者の割合、 および🔢EASI-75の達成割合
かゆみ、 かゆみによる睡眠への影響、 QOLの評価など
16週時点のIGA (0,1) の達成 (P=0.01)
EASI-75の達成 (P<0.001)
副次的評価項目
LEB+TCS群では、 すべての主要な副次的評価項目で統計的に有意な改善が認められた。
治療上緊急の有害事象
治療上緊急の有害事象 (TEAE) のほとんどは軽度または中等度であり、 試験の中止には至らなかった。
LEB+TCS群で多く報告された有害事象
PBO+TCS群の有害事象
PBO+TCS群では患者による有害事象の報告頻度が1.5%以下であった。
患者報告による重篤な有害事象
LEB+TCSはTCS単独と比較して、 中等症から重症のAD患者における転帰改善と関連し、 安全性はこれまでに報告されたADの試験と一致していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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