【NETTER-2】G2/G3未治療消化器原発NETへの177Lu-DOTATATEが著効
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HOKUTO編集部

12ヶ月前

【NETTER-2】G2/G3未治療消化器原発NETへの177Lu-DOTATATEが著効

【NETTER-2】G2/G3未治療消化器原発NETへの177Lu-DOTATATEが著効
増殖能が高いグレード (G) 2/3でソマトスタチン受容体(SSTR)陽性の未治療消化器原発神経内分泌腫瘍 (GEP-NETs) 患者において、 放射線同位体ルテチウムオキソドトレオチド (177Lu) を標識した放射性医薬品-DOTATATE (以下、 177Lu-DOTATATE、 商品名ルタテラ) を用いた、 ペプチド受容体放射性核種療法 (PRRT) +オクトレオチド併用療法の有効性および安全性を、 オクトレオチド単剤との比較により検証した第Ⅲ相無作為化比較試験NETTER-2の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 カナダ・University of TorontoのSimron Singh氏が発表した。

背景

現在、 高悪性度の高分化型GEP-NETsに対する第一選択となる治療法はなく、 アンメットニーズが残っている。 放射線リガンド療法 (RLT) は、 従来の全身療法、 放射線療法、 外科療法の領域を超えた革新的な癌治療法であり、 NETTER-1試験では、 G1/2で進行性SSTR陽性の中腸NETの治療法として、 PRRTが確立された。

本試験は、 固形癌における第一選択薬としてRLTを評価した初めての試験である。

試験の概要

対象

G2またはG3でSSTR陽性の進行GEP-NETsのうち下記の条件を満たす患者

  • Ki-67:10~55%
  • 登録前6ヵ月以内に診断
  • PRRTや全身療法の治療歴なし

方法

226例を以下の2群に2 : 1で割り付けた。

  • 177Lu-DOTATATE群 (151例)
177Lu-DOTATATE (4x7.4GBq) +オクトレオチド長時間作用型 (LAR) 30mgを8週毎に4サイクル投与→オクトレオチドLAR 30mgを4週毎に投与
  • 対照群 (75例)
高用量のオクトレオチドLAR [60mg]を4週毎に投与

評価項目

主要評価項目

PFS

副次的評価項目

奏効率 (ORR)、 QOL

試験の結果

患者背景

両群間で同様であった。

  • 年齢中央値 : 60~61歳
  • 男性割合 : 53~54%
  • アジア人 : 15%
  • 原発腫瘍部位が膵臓の患者割合 : 54~55%
  • 原発腫瘍部位が小腸の患者割合 : 28~30%
  • G2のNET割合 : 64~66%
  • Ki67中央値 : 16~17%

治療状況

177Lu-DOTATATE群の88%が177Lu-DOTATATEを4サイクル完了した。

PFS中央値

177Lu-DOTATATE群は対照群に比べ、 PFSが有意に延長した。

  • 177Lu-DOTATATE群 : 22.8ヵ月
(95%CI 19.4ヵ月-NE)
  • 対照群 : 8.5ヵ月
(95%CI 7.7-13.8ヵ月)
HR 0.276 (95%CI 0.182-0.418)、 p<0.0001

サブグループ解析

事前に規定された全てのサブグループにおいて、 177Lu-DOTATATE群の対照群に対する優位性が一貫して認められた。

ORR

177Lu-DOTATATE群のORRは対照群に比べて著しく高かった。

  • 177Lu-DOTATATE群 : 43.0%
(95%CI 35.0-51.3%)
  • 対照群 : 9.3%
(95%CI 3.8-18.3%)
OR 7.81 (95%CI 3.32-18.40)、 p<0.0001

QOL

EORTC QLQ-C30に基づくQOLが悪化するまでの時間は、 両群で同等であった。

有害事象 (AE)

Grade3以上の治療関連AEの発現割合

  • 177Lu-DOTATATE群 : 16%
  • 対照群 : 4%

Grade3以上の>3%発現の主なAE

(以下、 177Lu-DOTATATE群、 対照群の順に記載)
  • リンパ球減少 : 5.4%、 0%
  • γ-GT上昇 : 4.8%、 2.7%
  • 小腸閉塞 : 3.4%、 0%
  • 腹痛 : 2.7%、 4.1%

Gradeを問わない>20%発現の主なAE

(以下、 177Lu-DOTATATE群、 対照群の順に記載)
  • 嘔気 : 27.2%、 17.8%
  • 下痢 : 25.9%、 34.2%
  • 腹痛 : 17.7%、 27.4%

Singh氏らの結論

未治療でG2/G3の進行GEP-NETs患者において、 177Lu-DOTATATE+オクトレオチド併用療法はオクトレオチド単剤療法と比較してPFSを有意に延長し、 高いORRを示した。 安全性は177Lu-DOTATATEの既知のプロファイルと同様であった。 本試験の結果から、 同疾患に対する1次治療としての177Lu-DOTATATEの使用が支持される。

(田中 理子)

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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