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10日前

Pistilliらは、 1~2ラインの化学療法歴を有する切除不能または転移性ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性乳癌患者を対象に、 抗TROP2抗体薬物複合体 (ADC) ダトポタマブ デルクステカン (Dato-DXd) の有効性および安全性を、 担当医師選択化学療法 (ICC) を対照として比較評価した国際多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験TROPION-Breast01の全生存期間 (OS) 最終解析結果を報告した。 その結果、 Dato-DXdは盲検下独立中央判定 (BICR) による無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した一方で、 OSでは有意差が認められなかった。 本研究はAnn Oncol誌において発表された。
試験期間中にトラスツズマブ デルクステカンおよびサシツズマブ ゴビテカンなど新規ADC治療が利用可能となり、 対照群で後治療としてADCを受けた患者割合が高かったことが、 OS結果に影響した可能性があります。
HR+/HER2-既治療乳癌へのdatopotamab deruxtecanがPFSを延長
第Ⅲ相TROPION-Breast01試験では、 既治療の切除不能または転移性HR陽性HER2陰性乳癌患者を対象に、 Dato-DXdがICCと比べて、 主要評価項目のBICRによる無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。
今回は、 同試験のもう1つの主要評価項目であるOS最終解析結果が報告された。
内分泌療法で病勢進行 (PD) が認められた、 あるいは内分泌療法が不適であり、 1~2ラインの化学療法歴を有する切除不能または転移性HR陽性HER2陰性乳癌患者732例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 BICRによるPFSおよびOSであった。
追跡期間中央値22.8ヵ月におけるOSで、 Dato-DXd群とICC群の間に有意差は認められなかった (HR 1.01 [95%CI 0.83-1.22]、 p=0.9445)。
後続療法として、 他のADC (トラスツズマブ デルクステカンおよびサシツズマブ ゴビテカン) の使用率は、 Dato-DXd群が12.3%、 ICC群が24.0%と不均衡であった。
副次有効性評価項目である担当医師判定によるPFS、 客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DOR)、 12週時の病勢コントロール率 (DCR)、 初回および2回目の後続治療または死亡までの期間、 ならびに2回目のPDまたは死亡までの期間は、 本最終解析においても引き続きICC群と比べてDato-DXd群で良好であった。
Dato-DXd群の全体的な安全性プロファイルはICC群と比べて良好であり、 追跡期間の延長に伴う新たな安全性シグナルは検出されなかった。
著者らは 「TROPION-Breast01試験では、 主要評価項目の1つであるBICR判定によるPFSを達成した。 一方で、 もう1つの主要評価項目であるOSについては、 Dato-DXd群とICC群の間で有意差が認められなかったものの、 後続のADC治療がこのOSの結果に影響を及ぼした可能性がある。 有効性および安全性データを総合すると、 Dato-DXdは既治療の切除不能または転移性HR陽性HER2陰性乳癌患者に対する新たな治療選択肢となり得る」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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