【JAMA Pediatr】小児食物アレルギー発症のリスク因子 : 280万例メタ解析
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2ヶ月前

【JAMA Pediatr】小児食物アレルギー発症のリスク因子 : 280万例メタ解析

【JAMA Pediatr】小児食物アレルギー発症のリスク因子 : 280万例メタ解析
Islamらは、 MEDLINEおよびEmbaseを基に、 乳幼児期の食物アレルギーの発生率およびそのリスク因子について、 280万例の参加者を対象としたシステマティックレビューおよび大規模メタ解析で検討した。 その結果、 最も強く確実性の高いリスク因子として既存のアレルギー疾患が特定され、 そのなかで生後1年以内のアトピー性皮膚炎が最も強い関連を示した。 また、 アレルゲンを含む離乳食導入の遅延、 乳児期の抗菌薬使用、 性別・家族歴・親の移住といった社会的・遺伝的因子が発症リスクとの関連を示した。 本研究はJAMA Pediatr誌において発表された。

📘原著論文

Risk Factors for the Development of Food Allergy in Infants and Children: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Pediatr. 2026 Feb 9:e256105. Online ahead of print. PMID: 41661638

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

多くのリスク因子は低確実性エビデンスに基づいており、 交絡因子調整も統一されていないため、 因子間の相互作用や独立性は明確ではありません。

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Lancet. 2022 Jun 25;399(10344):2398-2411.

背景

乳幼児期の食物アレルギー発生リスク因子は不明確

乳幼児期における食物アレルギーの発生率およびリスク因子は依然として不明確である。

研究デザイン

40ヵ国190研究・280万例を対象とした大規模メタ解析

MEDLINEおよびEmbaseを基に、 乳幼児期の食物アレルギーの発生率およびそのリスク因子について、 40か国における190件の研究、 計280万例の参加者を対象としたシステマティックレビューおよび大規模メタ解析で検討した。

主要アウトカムは6歳までの食物アレルギー発症

食物アレルギーの発生率推定には食物負荷試験で確認された研究、 リスク因子解析には6歳未満の小児を対象として多変量解析を用いたコホート研究、 症例対照研究、 横断研究を含めた。 ペアレビューアが独立してデータを抽出し、 ランダム効果メタ解析により発生率および調整オッズ比 (OR) を統合した。 バイアスリスクはQUIPSツール、 エビデンスの確実性はGRADEアプローチにより評価した。

主要アウトカムは6歳までの食物アレルギー発症であった。

結果

最も強いリスク因子は生後1年以内のアトピー性皮膚炎、 リスクが3.88倍増

食物負荷試験を用いた研究では、 全体的な食物アレルギー発生率は4.7%と推定された (中等度の確実性)。

342のリスク因子を特定した176件の研究において、 最も強く確実性の高いリスク因子は既存のアレルギー疾患であり、 そのなかで生後1年以内のアトピー性皮膚炎 (湿疹) が最も強い関連を示した。

  • 生後1年以内のアトピー性皮膚炎 (湿疹) :

OR 3.88、 リスク差 [RD] 12.0%㌽ (95%CI 8.8-15.7%㌽)

  • アレルギー性鼻炎 :

OR 3.39、 RD 10.1%㌽ (95%CI 6.7-14.4%㌽)

  • 喘鳴 :

OR 2.11、 RD 5.0%㌽ (95%CI 2.1-8.8%㌽)

アトピー性皮膚炎の重症度も関連、 皮膚バリア関連もリスク因子

アトピー性皮膚炎の重症度において、 SCORAD (Scoring Atopic Dermatitis) 5~10点上昇により食物アレルギー発生リスクは増加した (OR 1.22、 RD 1.0%㌽ [95%CI 0.6-1.6%㌽])。

これに一致して、 経皮水分蒸散量の増加 (OR 3.36、 RD 10.0%㌽ [95%CI 6.3-14.8%㌽])、 フィラグリン遺伝子変異 (OR 1.93、 RD 4.2%㌽ [95%CI 2.4-6.4%㌽]) もリスク因子として特定された。

離乳食導入遅延による12ヵ月以降のピーナッツ摂取でリスクが2.55倍増

経口曝露に関連して、 アレルゲンを含む離乳食導入の遅延 (出生後12ヵ月以降にピーナッツ摂取) がリスク因子として特定された (OR 2.55、 RD 6.8%㌽ [95%CI 1.9-14.6%㌽])。

生後1ヵ月以内の抗菌薬使用でリスクが4.11倍増

また周産期・乳児期曝露に関連して、 同時期の抗菌薬使用がリスク因子として特定され、 そのうち生後1ヵ月以内 (OR 4.11、 RD 12.8%㌽ [95%CI 0.4-40%㌽]) は、 生後1年以内 (OR 1.39、 RD 1.8%㌽ [95%CI 0.8-3.1%㌽]) および妊娠中 (OR 1.32、 RD 1.5%㌽ [95%CI 0.6-2.5%㌽]) と比べて強い関連を示した。

性別、 家族歴、 親の移住、 帝王切開分娩もリスク因子

社会的・遺伝的なリスク因子として、 男性 (OR 1.24、 RD 1.1%㌽ [95%CI 0.7-1.6%㌽])、 第一子 (OR 1.13、 RD 0.6%㌽ [95%CI 0.3-1.0%㌽])、 および以下の家族歴が特定された。

  • 母 : 

OR 1.98、 RD 4.4%㌽ (95%CI 2.5-6.8%㌽)

  • 父 : 

OR 1.69、 RD 3.2%㌽ (95%CI 1.3-5.5%㌽)

  • 両親 : 

OR 2.07、 RD 4.8%㌽ (95%CI 1.3-5.5%㌽)

  • 兄弟姉妹 : 

OR 2.36、 RD 6.0%㌽ (95%CI 4.4-8.0%㌽)

また、 親の移住歴 (OR 3.28、 RD 9.7%㌽ [95%CI 4.9-16.3%㌽])、 黒人としての自己認識 (白人に対するOR 3.93、 RD 12.1%㌽ [95%CI 5.2-22.5%㌽]、 非ヒスパニック系白人に対するOR 2.23、 RD 5.5%㌽ [95%CI 3.0-8.7%㌽]) もリスク因子として特定された。

その他、 出生関連のリスク因子として、 帝王切開分娩 (OR 1.16、 RD 1.0%㌽ [95%CI 0.3-1.2%㌽]) が特定された。

低出生体重や過期産、 妊娠中の食事やストレスはリスクと関連せず

低出生体重や過期産といった出生時の状況、 妊娠中の母親の食事やストレスなどは食物アレルギー発生リスクとの関連が示されなかった。

結論

出生後早期のアレルギー疾患のほか複合的なリスク因子が発症に関与

著者らは 「本メタ解析において、 小児における食物アレルギー発症には複合的因子が関与することが示された。 特に信頼性の高いリスク因子として、 出生後早期のアレルギー疾患が挙げられた。 これに加えてアレルゲンを含む離乳食導入の遅延、 乳児期の抗菌薬曝露、 遺伝的背景や性別や家族歴などの人口統計学的因子、 および帝王切開分娩などの出生関連因子などが発症リスクに関連していた」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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