HOKUTO編集部
5ヶ月前

未治療または最小限の治療歴を有する前立腺特異的膜抗原 (PSMA) 陽性転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) を対象に、 標準治療+放射性リガンド療法177Lu-PSMA-617併用療法の有効性および安全性を標準治療単独と比較評価した国際多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験PSMAdditionの中間解析において、 rPFSが有意に改善した。 米・Weill Cornell MedicineのScott T. Tagawa氏が発表した。
アンドロゲン除去療法 (ADT) +アンドロゲン受容体経路阻害薬 (ARPI) はmHSPCに対する標準治療であるが、 予後は依然として不良である。
[177Lu]Lu-PSMA-617 (以下、177Lu-PSMA-617)はARPI治療後に病勢進行が認められたPSMA陽性の転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対して臨床的ベネフィットをもたらすことが報告されている¹⁾²⁾。 そこで第Ⅲ相PSMAddition試験では、 PSMA陽性mHSPCに対するADT+ARPI+177Lu-PSMA-617併用療法の有効性および安全性を評価した。
対象は、 ECOG PS 0-2、 68Ga-PSMA-11 PET/CTで1つ以上のPSMA陽性転移病変を有し、 未治療または最小限の治療歴*があるmHSPC患者であった。
1,144例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
盲検下独立中央判定 (BIRC) で画像上の病勢進行 が認められた対照群の患者は177Lu-PSMA-617群へのクロスオーバーが可能であった。
主要評価項目は、 BIRCによるPCWG3/RECIST v1.1基準に基づく画像診断による無増悪生存期間 (rPFS) であった。 重要な副次評価項目は全生存期間 (OS)、 その他の副次評価項目は全奏効率 (ORR)、 安全性・忍容性などであった。
ベースライン時の患者背景は両群間で概ねバランスが取れていた。 177Lu-PSMA-617群、 対照群でそれぞれ、 PSA中央値 (四分位範囲) は12.06ng/mL (3.16-53.24ng/mL)、 11.64ng/mL (2.83-44.15ng/mL)、 Gleasonスコア 8-10は68.0%、 71.0%、 高腫瘍量は68.0%、 68.2%、 新規診断mHSPCは52.1%、 47.9%であった。
追跡期間中央値23.6ヵ月におけるrPFS中央値は、 177Lu-PSMA-617群が未到達 (95%CI NE-NE)、 対照群が未到達 (同 29.7ヵ月-NE) であり、 177Lu-PSMA-617群で有意な改善が認められた (HR 0.72 [同 0.58-0.90]、 p=0.002*)。
177Lu-PSMA-617群によるrPFSのベネフィットは、 多くのサブグループで一貫していた。
OS中央値は両群とも未到達 (95%CI NE-NE) であり、 177Lu-PSMA-617群で数値的な改善傾向が示された (HR 0.84 [同 0.63-1.13]、 p=0.125**)
ORRは、 177Lu-PSMA-617群が85.3% (95%CI 79.9-89.6%)、 対照群が80.8% (同 74.8-85.8%) と177Lu-PSMA-617群でより高率だった。 完全奏効 (CR) 率はそれぞれ57.1%、 42.3%であった。
177Lu-PSMA-617併用により有害事象 (AE) 発現率はわずかに上昇したものの、 安全性プロファイルは既報と一致していた。 最も多くみられたAEは口渇であり、 すべてGrade1-2であった (Grade1 : 177Lu-PSMA-617群 41.0% vs 対照群 3.4%、 Grade2 : 4.8% vs 0.4%)。
Grade3以上の血球減少症は177Lu-PSMA-617群で多く認められた (14.4% vs 5.0%)。
Tagawa氏は 「本試験の結果より、 ADT+ARPI+177Lu-PSMA-617併用療法がPSMA陽性mHSPC患者に対して臨床的ベネフィットをもたらす可能性が示された」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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