海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
磯部氏らは、 間質性肺炎 (IP) 合併肺癌患者200例を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の安全性および有効性について多施設レトロスペクティブ観察研究で検討した。 その結果、 ICI治療はIP合併肺癌に有効であったが、 約30%に免疫チェックポイント阻害薬肺炎 (ICIP) が発症した。 本研究はERJ Open Res誌に報告された。
AbstractのconclusionにICI treatment was effectiveとありますが、 有効性の評価は十分ではありません。 また多くのLimitationが存在しますが2つしか本文には記載されていません。 著者というよりは編集委員会の果たすべき役割が大きいと考えます。
IP合併肺癌では、 ICI治療によるICIPの発生が課題となっており、 IP合併肺炎に対するICIの有効性と安全性を明らかにする必要がある。
2016年6月~20年12月にICI治療を受けた、 IPを有する原発性肺癌患者 : 27施設200例
30.5% (61例) にICIPが発生した。 CTパターンは、 器質化肺炎 (OP) が47.5%、 びまん性肺胞損傷 (DAD) が31.1%であった。
Grade3以上の有害事象
肺炎が15.5%(32例)、 死亡が4.5% (9例) で認められた。
ICIPの一般的なCTパターン
47.5% (29例) で組織化肺炎であった。 その後、 DADパターンが31.1%(19例) で観察され、 DADパターンの肺炎は、 非DADパターン以外よりも有意に予後不良であった。
p<0.001
p=0.042
免疫関連有害事象 (irAE) の発現率
50% (100例) に認められ、 irAEを経験した患者は非irAE患者に比べて予後が良好であった。
p<0.001
p=0.0074
客観的奏効率は41.3%、 病勢コントロール率は68.5%であった。
ICI治療はIP合併肺癌において有効性が認められた一方、 約30%の患者でICIPが発症し、 特にDADパターンにおける予後不良との関連性が示された。 また、 irAEを有する患者は、 非irAE患者に比べてPFSおよびOSが有意に良好であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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