海外ジャーナルクラブ
22時間前

Wangらは、 遠隔および内側咽後リンパ節 (MRLN) 転移を認めない上咽頭癌患者を対象に、 MRLN領域温存放射線療法の生存および嚥下機能に対する長期成績を第Ⅲ相無作為化比較試験の5年解析で検証した。 その結果、 5年局所無再発生存率および全生存率はMRLN温存放射線群と標準放射線群で同等であった。 嚥下機能については、 嚥下造影検査にて咽頭残留や誤嚥が有意に減少し、 MRIでは咽頭収縮筋萎縮の抑制も確認された。 試験結果はBMJ誌に発表された。
嚥下機能評価は事後解析であり、 ベースラインデータがなく症例数も少ないため、 交絡やバイアスを完全には排除できません。
本研究は、 遠隔転移のない上咽頭癌に対する内側咽後リンパ節 (MRLN) 領域温存放射線療法の、 生存および嚥下機能に対する長期有効性と安全性を明らかにすることを目的とする。
本研究は、 中国で実施された第Ⅲ相・非盲検・非劣性・多施設共同・無作為化比較試験の5年解析である。 対象は、 非角化型で遠隔転移およびMRLN転移のない未治療の上咽頭癌患者とし、 MRLN温存放射線群または標準放射線群に1:1で割り付けた。 主要評価項目は3年局所無再発生存であり、 既に報告済みである。
本解析では、 5年生存、 安全性、 QOLにフォーカスし、 加えて嚥下障害も評価した。
MRLN温存群に285例、 標準群に283例を登録した。
追跡期間中央値70ヵ月における、 5年局所無再発生存率および全生存率は両群で同等であった。
5年局所無再発生存率
層別HR 1.03 (95%CI 0.61-1.74、 p=0.90)
全生存率
層別HR 1.06 (95%CI 0.68-1.68、 p=0.79)
安全性について、 MRLN温存群では嚥下障害の発生が低く抑えられ、 嚥下関連QOLも改善した (平均差-11.9、 p<0.001)。
有害事象 (MRLN温存群vs標準群)
嚥下機能については、 MRLN温存群において嚥下造影検査にて咽頭残留、 通過遅延、 誤嚥が有意に減少し、 MRIにて咽頭収縮筋萎縮の有意な抑制も確認された。
嚥下造影検査 (MRLN温存群vs標準群)
咽頭収縮筋MRI (MRLN温存群vs標準群)
著者らは、 「MRLN温存放射線療法は、 有効性を損なうことなく、 咽頭収縮筋への放射線障害を軽減することで嚥下機能長期により良好に維持したことから、 非転移性上咽頭癌への標準治療としての使用が支持される」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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