海外ジャーナルクラブ
1年前
Masudaらは、 HR陽性HER2陰性の進行乳癌患者を対象に、 アベマシクリブ誘発下痢 (AID) に対するプロバイオティクス (ビフィズス菌整腸剤) とマレイン酸トリメブチン (TM) の有効性を非盲検第Ⅱ相無作為化比較試験MERMAIDで検討。 その結果、 プロバイオティクスまたはプロバイオティクスとTMの併用によってGrade 3以上の下痢は減少したものの、 Grade 2以上の下痢の発生率はヒストリカルコントロールと比較して減少しなかった。 本研究はBreast誌において発表された。
患者数は約50名ですが、 24施設が参加されており、 短期間ですがselection biasの可能性がありそうです。
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アベマシクリブ誘発下痢 (AID) は、 乳癌患者におけるQOLと治療アドヒアランスを損なう。 一方、 止瀉薬ロペラミドによる支持療法は便秘を引き起こすことがある。 今回、 プロバイオティクスとマレイン酸トリメブチン (TM) が便秘を引き起こすことなく AIDの頻度を減らすだろうという仮説を検証した。
HR陽性HER2陰性の進行乳癌患者
患者を以下の群に無作為に割り付け
Grade 2以上の下痢を経験した患者の割合
安全性、 全Grade の下痢の頻度と期間、 嘔吐と便秘の頻度、 ロペラミドの使用量、 試験期間中の健康関連QOL/患者報告アウトカム
各群でGrade 3の下痢を経験した患者は1人であった。
減量を必要とした患者は1例のみであった。
AIDについて、プロバイオティクス単独またはプロバイオティクス+TMの併用によりGrade 3以上の下痢は減少したものの、 Grade 2以上の下痢の発生率はヒストリカルコントロールと比較して減少しなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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