HOKUTO編集部
3ヶ月前
2024年12月、 日本血液学会による『造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版 (2024年版)』が公開された。 今回は、 同ガイドラインのうち節外性NK / T細胞リンパ腫、 鼻型 (ENKL) の節に関して、 旧版である第3版 (2023年版) からの改訂の主なポイントを紹介する。
2023年6月にペグアスパルガーゼ (商品名 : オンキャスパー®) が承認された。
同承認に関連して、 2024年版では、 「CQ2 鼻腔周辺以外の限局期、 初発進行期および初回再発 / 治療抵抗性ENKLに対してどのような治療が勧められるか」 の解説において、 ペグアスパルガーゼが承認された旨、 および 「併用レジメンとしての至適化のエビデンスに乏しい」 旨が追記された。
なお、 CQ2に対するAnswerは2023年版から変更がなく、 SMILE療法を推奨している。 今回の追記は、 NCCNガイドラインで初発例に対してペグアスパルガーゼを用いたSMILE療法変法を挙げているなかで、 SMILE療法を推奨する根拠の1つとして言及されている。
L-アスパラギナーゼを使用するレジメンをSMILE、 PEG-アスパラギナーゼを使用するレジメンをmodified-SMILE (m-SMILE)と呼ぶ。
ENKLは放射線療法(RT)がKey therapyである。 一般的に2週間以内にRTが開始できる場合は同時化学放射線療法(CCRT)かRT先行化学療法を行うことになる。 CCRTに使用されるレジメンは減量DeVIC療法 (RT-2/3DeVIC) であり、 アスパラギナーゼは含まれない。
SMILE療法は、 RTを先行した後の治療、 化学療法先行や進行期の場合の治療などで使用される。 アスパラギナーゼに起因する副作用はもちろんのこと、 骨髄抑制も高度なため患者のfitnessを適切に評価する必要がある。
L-アスパラギナーゼとPEG-アスパラギナーゼに関してはALL/LBL編で記したため割愛する。
【ALL/LBL編】造血器腫瘍診療ガイドライン2024年版 改訂ポイント
添付文書
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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