海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Chowらは、 房室ブロック患者における刺激伝導系ペーシング (CSP) と右心室中隔ペーシング (RVsP) の臨床成績を比較する無作為化比較試験を実施した。 その結果、 CSP群ではRVsP群に比べ、 ペーシング誘発性心筋症の発生率、 および心臓再同期療法へのアップグレードの必要性の低下が認められ、 複合エンドポイントの発生率が有意に低かった。 試験結果はJACC誌に発表された。
CSPACE試験のlimitationとしては、 オープンラベルによるバイアスの可能性、 追跡期間が平均約25ヵ月に限られること、 伝導系ペーシング成功率が約88%とやや低めであることに加え、 リード再手術率が右室群より高かった点が挙げられます。
房室ブロック患者に対する右心室ペーシングは、 ペーシング誘発性心筋症、 心臓再同期療法へのアップグレードの必要性、 心不全による入院、 および死亡のリスクを伴う。 刺激伝導系ペーシング (CSP) は、 これらの有害な転帰を軽減する有望なペーシング戦略である。 本研究では、 CSPと右心室中隔ペーシング (RVsP) の臨床成績を比較した。
心臓再同期療法の適応がない房室ブロックに対するペーシング適応を有する202例を対象とし、 CSP群とRVsP群に1:1に無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 ペーシング誘発性心筋症、 心臓再同期療法へのアップグレード、 心不全による入院、 全死亡を含む複合エンドポイントである。
CSPは101例中89例 (88.1%) で成功した。
平均追跡期間25.2 ± 11.8ヵ月後、 複合エンドポイントの発生率は、 CSP群7.17件/100人年に対し、 RVsP群では20.69件/100人年であり、 CSP群で発生率が低かった (HR 0.35、 95%CI 0.19–0.64、 p<0.001)。
これは主にペーシング誘発性心筋症の発生率の低下、 心臓再同期療法へのアップグレードの必要性の低下によるものであり、 心不全による入院および全死亡には有意差は認められなかった。
ペーシング誘発性心筋症の発生率
HR 0.31、 95%CI 0.15–0.67、 p=0.002
心臓再同期療法へのアップグレードの必要性
HR 1.65e⁻⁹、 95%CI 0–∞、 p=0.043
なお、 リード再挿入はCSP群で多く発生した (CSP群 : 8例 [7.9%]、 RVsP群 : 1例 [1.0%]、 p=0.017)。
著者らは、 「本試験結果は、 CSPがRVsPよりも優れた臨床成績を達成することを示しており、 CSPの房室ブロック患者への初期ペーシング技術としての適応を支持するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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