【VOLGA】CDDP不適格のMIBC、 周術期デュルバルマブ+術前EVでEFS・OS改善
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HOKUTO編集部

5日前

【VOLGA】CDDP不適格のMIBC、 周術期デュルバルマブ+術前EVでEFS・OS改善

【VOLGA】CDDP不適格のMIBC、 周術期デュルバルマブ+術前EVでEFS・OS改善
シスプラチン (CDDP) 不適格または拒否の筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC) 例を対象とした第III相無作為化比較試験VOLGAの中間解析で、 周術期デュルバルマブ+術前エンホルツマブ ベドチン (EV) は、 術前治療を行わない対照群と比べ、 EFSとOSを有意に改善した。 トレメリムマブを追加した3剤併用群も対照群と比べEFSを有意に改善したが、 OSに有意差は認められなかった。 同試験の詳細は、 N Engl J Med.誌2026年10月24日オンライン版¹⁾に掲載された。 英・Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏が発表した。

背景

根治的膀胱全摘除術単独は再発高リスク

MIBCは根治的膀胱全摘除術 (RC) 単独では再発率が高く、 予後不良である。

抗PD-L1抗体デュルバルマブは、 術前化学療法との併用とRC後の単剤投与からなる周術期療法として、 米国 (2025年3月) と国内 (2025年9月) で承認されている。 抗Nectin-4抗体薬物複合体EVとペムブロリズマブの周術期療法は、 米国で2025年11月にCDDP不適格例を対象に承認され、 2026年7月にはCDDP適格性を問わず承認対象が拡大された。 国内では承認申請中である。

VOLGA試験では、 CDDP不適格または拒否例を対象に、 周術期デュルバルマブ±抗CTLA-4抗体トレメリムマブと術前EVの併用を検討した。

試験の概要

主要評価は各試験群と対照群のEFS比較

同試験の対象は、 cT2~T4aN0/1M0またはcT1N1M0のRC予定例である。 695例が、 デュルバルマブ+EV群 (233例)、 デュルバルマブ+トレメリムマブ+EV群 (233例)、 対照群 (229例) に1:1:1で割り付けられた。

試験群は術前にデュルバルマブ1,500mgとEV 1.25mg/kgを、 3週間を1サイクルとして3サイクル投与し、 3剤併用群ではトレメリムマブ75mgを2サイクル追加した。 RC後はデュルバルマブ1,500mgを4週ごとに9サイクル投与し、 3剤併用群ではトレメリムマブ75mgを1サイクル追加した。

対照群は術前治療を行わずRCを施行し、 術後は観察または各国で承認された治療とした。

主要評価項目は、 デュルバルマブ+EV群およびデュルバルマブ+トレメリムマブ+EV群それぞれと対照群との比較における、 盲検下独立中央判定 (BICR) による無イベント生存期間 (EFS) とした。 主な副次評価項目は全生存期間 (OS)。 データカットオフは2026年3月2日だった。

試験の結果

EFSのイベントリスクを49%低減

患者背景は3群で均衡し、 年齢中央値は71~72歳、 PD-L1高発現は各群52%であった。

追跡期間中央値はEFSで約23ヵ月、 OSで26ヵ月であった。

EFS中央値は、 デュルバルマブ+EV群で未到達 (95%CI 33.2ヵ月–NC)、 対照群で12.1ヵ月 (95%CI 7.6–27.0ヵ月) であり、 デュルバルマブ+EV群でイベントリスクが49%低減した (HR 0.51、 95%CI 0.38–0.67、 両側p<0.0001)。 24ヵ月EFS率はそれぞれ64%、 45%で、 EFSの改善効果はサブグループ間で一貫していた。

死亡リスクを42%低減

デュルバルマブ+EV群で死亡リスクが42%低減した (HR 0.58、 95%CI 0.40–0.83、 両側p=0.0027)。 OS中央値は両群とも未到達で、 24ヵ月OS率は78% vs 69%であった。

pCR率は45% vs 10%

各施設の病理判定による病理学的完全奏効 (pCR) 率は、 デュルバルマブ+EV群45% (95%CI 38.6–51.7%)、 対照群10% (95%CI 6.1–14.2%) であった (リスク比4.7、 95%CI 3.1–7.3)。

3剤併用はEFSのみ有意、 OSは追跡継続

デュルバルマブ+トレメリムマブ+EV群もEFSを有意に改善した (HR 0.61、 95%CI 0.47–0.80、 両側p=0.0004)。 OSは中間解析時点で有意差に至らず (HR 0.77、 95%CI 0.54–1.07、 両側p=0.1230)、 追跡を継続している。

Grade 3/4の治療関連有害事象は30%

安全性解析対象は、 デュルバルマブ+EV群228例、 3剤併用群229例、 対照群229例であった。

Grade 3/4の有害事象 (因果関係を問わない) は、 デュルバルマブ+EV群64%、 3剤併用群70%、 対照群44%であった。 Grade 3/4の治療関連有害事象は前2群で30%と42%、 治療関連死は1例 (0.4%) と5例 (2%) であった。 安全性プロファイルは各薬剤で既知のものと一貫した。

結論

周術期デュルバルマブ+術前EVが新たな標準治療候補に

Powles氏は結論として、 周術期デュルバルマブ+術前EV 3サイクルが、 CDDP不適格または拒否のMIBCに対する新たな標準治療となる可能性を示した。 3剤併用のOSは追跡中であるという。

出典

1) N Engl J Med. 2026年10月24日オンライン版

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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