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44日前

【NEJM】高齢マントル細胞リンパ腫患者の化学免疫療法、 イブルチニブ併用でPFS改善


Wang MLらは、 65歳以上の未治療マントル細胞リンパ腫患者を対象に、 ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法にイブルチニブを加えた際の効果を検討する第Ⅲ相試験を実施. その結果、 イブルチニブと標準的な化学免疫療法の併用療法は、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長させることが明らかとなった. 本研究はNEJM誌において発表された.

背景

ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤であるイブルチニブは、 未治療の高齢マントル細胞リンパ腫患者において、 ベンダムスチン+リツキシマブとの併用併用投与およびその後のリツキシマブ維持療法により臨床的な有益性を示す可能性がある.

研究デザイン

65歳以上の未治療マントル細胞リンパ腫患者523名を以下の2群に割り付けた.
  • イブルチニブ群 (261名)
イブルチニブ (560mg1日1回経口投与) + ベンダムスチン (体表面積1m²あたり90mg) + リツキシマブ(同375mg)を6サイクル
  • プラセボ群(262名)
プラセボ+ベンダムスチン(体表面積1m²あたり90mg)+リツキシマブ(同375mg)を6サイクル

なお、 客観的奏効(完全奏効または部分奏効)が得られた患者には、 8週間ごとに最大12回までリツキシマブ維持療法が行われた.


主要評価項目は試験参加医師の評価する無増悪生存期間 (PFS)とし、 全生存期間と安全性も評価された.

研究結果

有効性評価

追跡期間中央値84.7ヶ月の時点のPFS中央値

  • イブルチニブ群 80.6ヶ月
  • プラセボ群 52.9ヶ月
疾患進行または死亡のHR 0.75、 95%CI 0.59~0.96、 P=0.01

その他

  • 完全奏効を示した割合は、 イブルチニブ群65.5%、プラセボ群57.6%であった(P=0.06).
  • 全生存期間は、 両群で同程度であった.

安全性評価

治療中のグレード3または4の有害事象の発生率は、 イブルチニブ群で81.5%、 プラセボ群で77.3%であった.

結論

イブルチニブと標準的な化学免疫療法との併用療法は、 PFSを有意に延長させた. 併用療法の安全性プロファイルは、 個々の薬剤における既知のプロファイルと一致した.

原著

Wang ML, et al, Ibrutinib plus Bendamustine and Rituximab in Untreated Mantle-Cell Lymphoma. N Engl J Med. 2022 Jun 3. doi: 10.1056/NEJMoa2201817. PMID: 35657079

編集部コメント

標準治療の一つであるBR療法 (+リツキシマブ維持) にイブルチニブを上乗せした3剤併用療法の第Ⅲ相試験です. マントル細胞リンパ腫は再発しやすい上に高齢患者も多く、 より有効性と安全性の高い治療の開発が望まれます.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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