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海外ジャーナルクラブ

144日前

高出血リスク患者への短期DAPTで、 出血イベントが減少 (Eur Heart J)

経皮的冠動脈インターベンション (PCI) や急性冠症候群 (ACS) などでシロリムス溶出性ステント (SES) を留置した高出血リスク患者を対象に、 1カ月の短期または3カ月以上の標準的な抗血小板薬2剤併用療法 (DAPT) の効果を検討した (MASTER DAPT試験) . その結果、 短期DAPTと標準的DAPTのNACE、 MACCEの発生リスクは同等であるが、 出血イベントについては短期DAPTの方が少ないことが明らかとなった. 本研究はEur Heart J誌において発表された.

研究デザイン

MASTER DAPT試験サブ解析

対象はSESを留置した高出血リスク患者 (非複雑PCI 3383例、 複雑PCI 1196例)で、 1カ月の短期または3カ月以上の標準的なDAPTの効果を検討
  • 非複雑PCI:3383例
  • 短期DAPT 1707名、 標準DAPT 1676名
  • 複雑PCI群:1196例
  • 短期DAPT 588名、 標準DAPT 608名
  • 腫瘍評価項目:335日時点の共同主要評価項目
  • 純臨床有害事象 (NACE:全死亡、 心筋梗塞、 脳卒中、 BARC出血基準 タイプ3または5の複合)
  • 主要心臓・脳有害事象 (MACCE:全死亡、 心筋梗塞、 脳卒中)
  • BARC出血基準 タイプ2、 3または5の大出血・臨床的に重要な非大出血

研究結果

335日時点のNACEおよびMACCEの発生率

複雑PCI群:HR 1.03

(95%CI 0.69~1.52、 HR 1.24、 95%CI 0.79~1.92)

非複雑PCI:HR 0.90

(95%CI 0.71~1.15、 HR 0.91、 95%CI 0.69~1.21)

BARC 2、 3または5の出血イベント

複雑PCI群、 非複雑PCI群ともに短期DAPTで減少した.

(HR 0.64、 95%CI 0.42~0.98、 およびHR:0.70、 95%CI:0.55~0.89)

その他の解析

複雑PCIおよびACS、 またはそのいずれかに該当する2、816例の検討では、 NACEとMACCEの発生に差はなく、 BARC出血基準タイプ 2、 3または5の出血イベントは短期DAPTで低かった.

結論

1ヵ月後に虚血イベントの再発がないHBR患者において、DAPT中止はPCIや患者の複雑さにかかわらず、標準的なDAPTと比較して、NACEとMACCEが同等で、出血率が低いことが確認された.

原著

Valgimigli M, et al, Duration of Antiplatelet Therapy After Complex Percutaneous Coronary Intervention In Patients at High Bleeding Risk: a MASTER DAPT trial sub-analysis. Eur Heart J. 2022 May 17;ehac284. PMID: 35580836

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
特に出血性合併症の多い日本人 (東アジア人) には重要な仮説の提唱と言えると思います. 

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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