海外ジャーナルクラブ
2年前
経皮的冠動脈インターベンション (PCI) や急性冠症候群 (ACS) などでシロリムス溶出性ステント (SES) を留置した高出血リスク患者を対象に、 1カ月の短期または3カ月以上の標準的な抗血小板薬2剤併用療法 (DAPT) の効果を検討した (MASTER DAPT試験) . その結果、 短期DAPTと標準的DAPTのNACE、 MACCEの発生リスクは同等であるが、 出血イベントについては短期DAPTの方が少ないことが明らかとなった. 本研究はEur Heart J誌において発表された.
対象はSESを留置した高出血リスク患者 (非複雑PCI 3383例、 複雑PCI 1196例)で、 1カ月の短期または3カ月以上の標準的なDAPTの効果を検討
複雑PCI群:HR 1.03
非複雑PCI:HR 0.90
複雑PCI群、 非複雑PCI群ともに短期DAPTで減少した.
複雑PCIおよびACS、 またはそのいずれかに該当する2、816例の検討では、 NACEとMACCEの発生に差はなく、 BARC出血基準タイプ 2、 3または5の出血イベントは短期DAPTで低かった.
1ヵ月後に虚血イベントの再発がないHBR患者において、DAPT中止はPCIや患者の複雑さにかかわらず、標準的なDAPTと比較して、NACEとMACCEが同等で、出血率が低いことが確認された.
👨⚕️ HOKUTO監修医コメント
特に出血性合併症の多い日本人 (東アジア人) には重要な仮説の提唱と言えると思います.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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