【AXIS試験】腎細胞癌に対するアキシチニブ
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HOKUTO編集部

1年前

【AXIS試験】腎細胞癌に対するアキシチニブ

【AXIS試験】腎細胞癌に対するアキシチニブ
進行腎細胞癌患者の2次治療において、 アキシチニブの効果を、 ソラフェニブを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験AXISの結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有益性が示された。

原著論文

▼中間解析結果

Comparative effectiveness of axitinib versus sorafenib in advanced renal cell carcinoma (AXIS): a randomised phase 3 trial. Lancet. 2011 Dec 3;378(9807):1931-9. PMID: 22056247

▼追跡結果

Axitinib versus sorafenib as second-line treatment for advanced renal cell carcinoma: overall survival analysis and updated results from a randomised phase 3 trial. Lancet Oncol. 2013 May;14(6):552-62. PMID: 23598172

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AXIS試験の概要

対象

1次治療としてスニチニブ、 ベバシズマブ+インターフェロンα、 テムシロリムス、 サイトカイン製剤を用いた治療を行っても病勢が進行した腎細胞癌患者

方法

723例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • アキシチニブ群 (361例)
アキシチニブ5㎎を1日2回経口投与
  • ソラフェニブ群 (362例)
ソラフェニブ400㎎を1日2回経口投与

評価項目

  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:全生存期間 (OS)、 全奏効率 (ORR)、 奏効期間、 症状悪化までの期間*
*Functional Assessment of Cancer Therapy Kidney Symptom Index (FKSI) 質問票とFKSI-Disease-Related Symptoms (FKSI-DRS) で評価

AXIS試験の結果

患者背景

両群間で同様であった。

前治療は、 スニチニブが389例 (54%) 、 ベバシズマブ+インターフェロンαが59例 (8%) 、 テムシロリムスが24例 (3%) 、 サイトカイン製剤が251例 (35%) であった。

PFS中央値

全患者

  • アキシチニブ群:8.3ヵ月
(95%CI 6.7-9.2ヵ月)
  • ソラフェニブ群:5.7ヵ月
(95%CI 4.7-6.5ヵ月)
HR 0.656 (95%CI 0.552-0.779)、 p<0.0001

サイトカイン製剤治療歴がある患者

  • アキシチニブ群:12.2ヵ月
(95%CI 10.2-15.5ヵ月)
  • ソラフェニブ群:8.2ヵ月
(95%CI 6.6-9.5ヵ月)
HR 0.505 (95%CI 0.373-0.684)、 p<0.0001

スニチニブ治療歴のある患者

  • アキシチニブ群:6.5ヵ月
(95%CI 5.7-7.9ヵ月)
  • ソラフェニブ群:4.4ヵ月
(95%CI 2.9-4.7ヵ月)
HR 0.719 (95%CI 0.572-0.903)、 p=0.0022

ベバシズマブ+インターフェロンα治療歴のある患者と、 テムシロリムス治療歴がある患者では、 両群のPFSに差は認められなかった。 

PFSのサブグループ解析

年齢、 性別、 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC) のリスク分類、 および地域に基づくサブグループ解析では、 アキシチニブの一貫した優位性が示された。 

ORR

  • アキシチニブ群:23%
  • ソラフェニブ群:12%
p=0.0001

奏効期間 中央値

  • アキシチニブ群:11ヵ月
(95%CI 7.4ヵ月-推定不能)
  • ソラフェニブ群:10.6 ヵ月
(95%CI 8.8-11.5ヵ月)

OS中央値

  • アキシチニブ群:20.1ヵ月
(95%CI 16.7-23.4ヵ月)
  • ソラフェニブ群:19.2ヵ月
(95%CI 17.5-22.3ヵ月)
HR 0.969 (95%CI 0.800-1.174)、p=0.3744

症状悪化までの期間

FKSI15項目で評価

  • アキシチニブ群:3.1ヵ月
(95%CI 2.8-4.5ヵ月)
  • ソラフェニブ群:2.8ヵ月
(95%CI 2.7-3.0ヵ月)
HR 0.829 (95%CI 0.701-0.981)、p=0.014

FKSI-DRSで評価

  • アキシチニブ群:3.7ヵ月
(95%CI 2.8-4.6ヵ月)
  • ソラフェニブ群:2.9ヵ月
(95%CI 2.8-3.5ヵ月)
HR 0.838 (95%CI 0.707-0.993)、p=0.0203

有害事象 (AE)

  • グレード3以上の治療関連AEで多くみられたのは、 アキシチニブ群では高血圧、 下痢、 疲労であり、 ソラフェニブ群では手足症候群、 高血圧、 下痢であった。
  • 高血圧、 悪心、 発声障害、 甲状腺機能低下症はソラフェニブ群よりアキシチニブ群の方が多く (治療群間差10%以上) 、 手足症候群、 脱毛症、 発疹はソラフェニブ群の方が多かった。
  • 有害事象により投与中止されたのは、 アキシチニブ群14例 (4%) 、 ソラフェニブ群29例 (8%) であった。

著者らの結論

進行腎細胞癌患者の2次治療において、 アキシチニブ投与はソラフェニブ投与と比較して、 OSに差は認められなかったが、 PFSを有意に延長させることが示された。 

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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