【NEJM】コンシズマブの予防的投与で血友病A・Bの年間出血回数減
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】コンシズマブの予防的投与で血友病A・Bの年間出血回数減

【NEJM】コンシズマブの予防的投与で血友病A・Bの年間出血回数減
Matsushitaらは、 インヒビターを有する血友病AまたはBの患者を対象に、 抗組織因子経路インヒビター (tissue factor pathway inhibitor;TFPI ) モノクローナル抗体コンシズマブの安全性と有効性を第Ⅲ相試験explorer7で検討。 その結果、 コンシズマブの予防投与を行うと、 予防的治療を行わない場合に比べて年間出血回数が少なかった。 この研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Phase 3 Trial of Concizumab in Hemophilia with Inhibitors. N Engl J Med. 2023 Aug 31;389(9):783-794. PMID: 37646676

👨‍⚕️監修医師のコメント

Key secondary end pointsとしてQOLの尺度であるSF-36を採用している点が斬新です。


背景

コンシズマブは、 すべての血友病病型で止血が得られるようにデザインされたTFPIモノクローナル抗体であり、 先行試験 (explorer4 ) において、 インヒビターを有する血友病AまたはBの患者における治療概念が実証されている。

研究デザイン

対象

インヒビターを有する血友病AまたはBの患者

介入

患者を以下の群に1:2の割合で無作為に割り付け

  • グループ1:19例
出血の予防的治療を行わない群
  • グループ2:33例
concizumabの予防投与を32週以上行う群

非無作為にコンシズマブの予防投与を24週以上行う群 (グループ3、 4 ) も組み入れた (81例 )。

主要評価項目

  • グループ1、 2:治療を要する自然出血および外傷性出血のエピソードを比較した。
  • 全症例:安全性、 患者報告アウトカム、 薬物動態・薬力学を評価した。

研究結果

年間出血回数の推定平均値

  • グループ 1:11.8 (95%CI 7.0-19.9 )
  • グループ 2:1.7 (95%CI 1.0-2.9 )

率比 0.14 (95%CI 0.07-0.29、 P<0.001 )

コンシズマブ投与群の年間出血回数の中央値

コンシズマブを投与していた患者 (グループ 2, 3, 4 ) の年間出血回数の中央値は0回であった。

血栓塞栓イベントと血漿中濃度

コンシズマブ治療再開後の血栓塞栓イベントは報告されず、 血漿中濃度は経時的に安定していた。

結論

インヒビターを有する血友病AまたはBの患者で、 コンシズマブの予防投与を行うと、 予防治療を行わない場合に比べて年間出血回数が少なかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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