海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Rubinらは、 潰瘍性大腸炎の患者を対象に、 IL-23阻害薬であるグセルクマブの有効性と安全性を、 二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験QUASARで検討した。 その結果、 グセルクマブは中等度~重度の活動期潰瘍性大腸炎において、 導入療法および維持療法として有効かつ安全であった。 本研究はLancet誌にて発表された。
治療選択肢が増えることは、 患者にとって大きなメリットです。
IL-23阻害は、 潰瘍性大腸炎の治療に有効である。 グセルクマブは、 p19サブユニット標的IL-23阻害薬で、 CD64結合能力も持つ。
本研究は、 潰瘍性大腸炎におけるグセルクマブの導入療法および維持療法における有効性と安全性を評価することを目的とした。
中等度~重度の活動性潰瘍性大腸炎 (ベースラインの修正Mayoスコア5~9) を有し、 従来の治療または高度治療に対して不十分な反応または不耐性を示した成人患者を対象とした。 主要評価項目は、 12、 44週時点での臨床的寛解とした。
導入療法
グセルクマブ200mgを0週、 4週、 8週に静脈内投与する群 (421例) とプラセボ群 (280例) に割り付けた。
維持療法
導入療法12週間後に反応を示した患者を、 グセルクマブ200mgを4週間ごとに皮下投与する群 (190例)、 100mgを8週間ごとに皮下投与する群 (188例)、 プラセボ群 (190例) に割り付けた。
グセルクマブ群では、 12週時点で臨床的寛解を達成した患者が23%であり、 プラセボ群の8%よりも有意に高かった (補正後群間差15%㌽、 95%CI 10-20%㌽、 p<0.0001)。
44週時点で臨床的寛解を達成した患者の割合は、 グセルクマブ200mg群で50% (補正後群間差30%、 95%CI 21-38%、 p<0.0001)、 100mg群で45% (補正後群間差25%㌽、 95%CI 16-34%㌽、 p<0.0001) であり、 プラセボ群の19%より有意に高かった。
安全性プロファイルは、 承認済の適応症におけるものと一致し、 良好だった。 導入療法では、 有害事象は両群ともに49%、 重篤な有害事象はグセルクマブ群で3%、 プラセボ群で7%、 治療中止に至った有害事象は、 グセルクマブ群で2%、 プラセボ群で4%であった。
維持療法では、 有害事象の頻度は各群で同程度であった。 報告頻度が最も高かった有害事象は潰瘍性大腸炎、 COVID-19、 関節痛であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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