インタビュー
12ヶ月前
昭和伊南総合病院 (長野県駒ヶ根市) は、 1年目から協力病院での外部研修を受けられるほど自由度の高い研修プログラムが特徴です。 副院長で臨床研修支援室長の森川明男先生と、 研修医の古舘大樹先生に研修の特徴などを聞きました。
――研修の特徴は?
森川先生 「研修をする医療機関としては小規模 (病床数300) で、 常勤医師も約30人と少ないですが、 循環器内科や消化器内科、 外科などを含む19の診療科を標榜しています。 急性疾患から慢性疾患まで広く対応しているため、 研修医はあらゆる疾患を診ることができます。 研修医も各年次2人しかいないため、 学びたいという意思があれば、 いくらでも学べる環境です」
「指導医側で勝手に研修プログラムを作って押しつけるのではなく、 研修医本人の考えを尊重します。 初期研修のルールはもちろん守りますが、 何を学びたいか、 どこで研修を受けたいかといった意見を聞き、 できるだけ要望に応じるようにしています」
「例えば、 当院では産婦人科や精神科の研修は実施できませんが、 連携病院の信州大学病院や伊那中央病院、 飯田市立病院、 こころの医療センター駒ヶ根に依頼し、 研修医の希望に沿った研修を受けられるようにしています。 規模の大きい病院との連携で、 研修科の制限や同期の研修医がいないデメリットを解消できるようにしています。 また規模が小さいからこそ研修の自由度を高めています。 」
森川先生 「患者さんが自宅に帰ること・暮らしに戻ることを大切にしています。 急性期のみの研修を行う医療機関が多い中、 リハビリテーション科での研修も受けられることも特徴です」
――実際に研修をした率直な感想は
古舘先生 「一般的な研修プログラムでは、 外部の医療機関での研修は2年目以降になるケースが多いですが、 当院は1年目から外部に行くことができます。 研修医の数も少ないため、 研修先の希望が重なることもほとんどなく、 自分のやりたいこと・知りたいことのために自由にカスタマイズしてプログラムを組むことができます」
「院内全体として、 研修医に多くのことを経験してもらおうという風土だと感じています。 例えば、 自分がその時期に担当していない診療科の先生に呼ばれて救急患者の症例を見せてもらったり、 循環器内科の先生に珍しい症例の治療があると声をかけてもらったりすることがよくあります」
古舘先生 「研修医だけの部屋がなく、 指導医の先生と同じ部屋で過ごす状態なので、 疑問点などをすぐに相談することができます。 医師以外の検査技師や看護師、 薬剤師などコメディカルの方々もとても優しいです。 質問すると何でも教えてくれます。 アットホームな空気感で働きやすいと感じています」
――オフの過ごし方は
「働きすぎないように各先生の勤務時間がコントロールされており、 オンとオフの区別をはっきりさせることができます。 駒ヶ根地域は山が多く、 休日は山登りを楽しんでいます。 名古屋まで高速バスで2時間ほどなので、 中部国際空港から九州へ飛行機で旅行に出かけたこともあります」
ーー最後に、 医学生へメッセージを。
森川先生 「大規模な病院ではありませんが、 一人ひとりに合った研修ができるよう尽力しています。 少しでも興味があれば、 ぜひ実際に見学に来て下さい。 上限はありますが旅費の補助も可能ですので、 観光がてら気軽にお越しください」
古舘先生 「現場の空気感を直接感じたうえで研修先を決めることが大切です。 ぜひ夏の気候の良い時期に見に来ていただければと思います」
▶昭和伊南総合病院ホームページ
▶昭和伊南総合病院の初期臨床研修プログラム
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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