【医師3千人調査】最も処方される"経口鎮痛薬"は・・・カロナール?ロキソニン?
著者

HOKUTO編集部

2ヶ月前

【医師3千人調査】最も処方される"経口鎮痛薬"は・・・カロナール?ロキソニン?

【医師3千人調査】最も処方される
2024年9月30日~10月8日に、 HOKUTO医師会員3,302人を対象に、 「経口鎮痛薬および鎮咳薬」に関する処方調査を行った。 今回は、 鎮痛薬に関する処方の現況について報告する。 

処方率第1位はアセトアミノフェン

【医師3千人調査】最も処方される
【医師3千人調査】最も処方される
※4位以降の薬剤は 「その他」 に統合

日常臨床においても "最も処方頻度の高い経口鎮痛薬" について確認したところ、 64%の医師が 「アセトアミノフェン」 と回答した。 第2位は 「ロキソプロフェン」 で30%、 第3位は 「セレコキシブ」 で2%となっている。

4位以降には下記のような薬剤が挙がった。

  • オキシコドン
  • ジクロフェナク
  • イブプロフェン
  • トラマドール®︎ 
  • トラムセット®︎  など

診療科別に異なる傾向

アセトアミノフェンは小児科や内科系、 臨床研修医で高い処方割合

診療科別に見ると、 アセトアミノフェンの処方割合が最も高かったのは小児科 (95.0%) で、 ついで臨床研修医 (82.6%)、 腎臓内科 (82.6%) など、 ロキソプロフェンを処方できない小児科や、 長期の鎮痛管理が必要な内科系、 臨床研修医などで処方割合が高い傾向にあった。

【医師3千人調査】最も処方される

一方、 産婦人科や整形外科、外科系でロキソプロフェンの処方割合が高かった

ロキソプロフェンの処方割合が最も高かったのは産婦人科 (58.3%) で、 ついで呼吸器外科 (57.9%)、 乳腺外科 (56.3%)、 整形外科 (54.2%)など、 術後管理を伴う外科系診療科で選ばれる傾向が見られた。

なお、 セレコキシブは膠原病・リウマチ・アレルギー科 (23.1%)、 整形外科 (19.0%) で利用される傾向にあった。

安全性、有効性などを重視する傾向

自由記述形式で聞いた処方理由に関し、 全般的に 「安全性 (特に副作用、高齢者、腎障害)」 「有効性 (効果持続時間、 鎮痛力)」 「使い勝手 (OTC、用法用量)」 などの観点での回答が多かった。

⚠以下の回答は医師個人の感想であり、 実際の使用にあたっては最新の添付文書情報や企業から提供される情報を確認の上、 ご自身の判断と責任でご利用下さい。

アセトアミノフェンを処方する理由

合併症の観点で、 小児や高齢者、 腎機能障害などを有する患者にも幅広く使用できる汎用性を評価する声が多く見られた
  • NSAIDsよりも副作用が少ない。 また小児の発熱などにも使用しやすい
(40代 : 産婦人科)
  • 腎臓にも優しく使い勝手が良い
(30代 : 血液内科)
  • 副作用が少なく、高齢者でも使いやすい
(30代 : 呼吸器内科)
  • 腎障害や消化管合併症を気にしなくて良い 
(60代 : 消化器外科)
  • 長期使用では副作用に注意が必要だが、 短期間では効果と副作用のバランスがよい 
(60代 : 泌尿器科)

ロキソプロフェンを処方する理由

その鎮痛効果を「切れ味が良い」と表現する医師が多く、 NSAIDsの中では胃腸障害が少ない可能性や抗炎症作用、 OTCへの移行を評価する声が多く見られた
  • OTCもあり患者さんにも馴染みがある
(30代 : 消化器内科) 
  • 腎機能を確認必要だが、 鎮痛効果が高い
(消化器外科 : 50代)
  • 外傷や感染症、偏頭痛やその他緊急ではないけど原因不明の発熱や疼痛に対して、有用性が高いから
(60代 : 一般内科)
  • 急性上気道炎の適応があり、プロドラッグて胃腸障害が少ないと公言されていること
(40代 : 一般内科)
  • アセトアミノフェンだと効かないと言う患者さんが多い
(60代 : 一般内科)
  • 侵害受容性疼痛の場合、 抗炎症作用もあるから、 禁忌でない場合は使用を検討する
(40代 : 一般内科)

セレコキシブを処方する理由

上記薬剤と異なり、 1日2回投与で良いこと、胃腸障害の可能性が低い可能性を評価する声が多く見られた。 特に整形外科医師からの声が多かった。
  • 胃腸障害の可能性が低いと考えるため
(40代 : 呼吸器内科)
  • 整形外科分野で処方しやすいため
(30代 : 整形外科)
  • 効果が確実で短期間なら副作用も少ない
(50代 : 整形外科)
  • 1日2回投与でよく、持続時間が長い
(30代 : 救急科)
  • 即効性と持続性の両方の作用を持ち、 消化管への副作用が少ない
(30代 : 救急科)

関連コンテンツ

【医師3千人調査】最も処方される
医療用麻薬の特徴について、 厚生労働省の「医療用麻薬適正使用ガイダンス」や添付文書などを基に、 HOKUTO編集部協力薬剤師のコメントとともに概説するシリーズです。

非オピオイド鎮痛薬の特徴

軽度~中等度の痛みに使用するオピオイド

中等度~高度の痛みに使用するオピオイド

投与経路の選び方と変更時の注意点

レスキュー薬の設定 「薬剤ごとの対応表」

オピオイドスイッチング 推奨用量一覧

ポストのGif画像
【医師3千人調査】最も処方される"経口鎮痛薬"は・・・カロナール?ロキソニン?の全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【医師3千人調査】最も処方される"経口鎮痛薬"は・・・カロナール?ロキソニン?