HOKUTO通信
2年前
新たな宇宙飛行士の候補者として、 日本赤十字社医療センター外科医の米田あゆさん (28) が選ばれた。 東京都内で2月28日に開かれた記者会見の一問一答は以下の通り。 (詳しくは関連記事 「宇宙飛行士候補の米田さん、 日赤は退職見込み」 を参照)
米田さんは東京都生まれ、 京都市育ち。2019年に東京大医学部医学科を卒業後、 東京大医学部付属病院を経て、 2021年、 日本赤十字社医療センターに入職。 2022年10月から虎の門病院に派遣され、 外科医として手術や病棟業務、 救急対応に当たっている。
――2000倍を超える倍率の選抜試験で選ばれた気持ちは
「電話で連絡をいただき、 最初は喜びと驚きが同時にあった。 合格するとは思っていなかった。 その後は責任感と使命を感じた。 しばらく経って、 これまでの道のりを支えてくれた方々への感謝の気持ちが出てきた」
――宇宙飛行士を目指すきっかけは
「幼少期に父から (元宇宙飛行士の) 向井千秋さんの伝記をもらい、 読んだこと。 (向井さんが) 宇宙から地球を眺めて感動する姿に感銘を受け、 宇宙飛行士を目指すきっかけになった」
「(前回の選抜募集があった)2009年はまだ学生で応募資格はなく、 宇宙飛行士は憧れの存在でしかなかった。 今回、 私でも資格があると気づいた時に、『挑戦しない選択肢はない』と幼少期の夢が一気に湧き上がってきた」
――自身の強みは何か。どんな宇宙飛行士になりたいか
「人の輪があった時に、 嫌な思いをする人がいないようにその場を和ませられる存在でいたい。 宇宙開発の中でもチームの輪を大事にできると考えている」
「皆さんに友達感覚で接してもらえるような、 宇宙のことをもっと身近に感じてもらえるような宇宙飛行士になりたい。 特に子供たちには宇宙が楽しいところだと伝えたい」
――医学と宇宙の関わりをどう考えるか
「宇宙に行ったときに人体がどうなるのかを調査すること、 宇宙での実験成果を地球に還元することの2つのポイントがあると考えている。 今後、 たくさんの人が宇宙に行く時代が来る。 宇宙での滞在時間が長くなることが予想される中で、 人の身体に与える変化についての実験に参加し、 医師のキャリアや知見を生かしていきたい」
――宇宙で何がしたいか
「まずは無重力を体感して、 宇宙から地球を眺めたい。 それから、 より遠い探査の道を進み、 宇宙をどんどん開拓していける存在になりたい」
――月面に降り立つ可能性がある。月にはどんなイメージがあるか
「何かあったときに月を眺めて力をもらう。 そんな存在だった。夜に月を眺めながら散歩をすることが好き。 月食の日に月面から地球はどうみえるんだろう。 それを見た人はおそらくまだいないんじゃないか。 月に立つことができれば経験を伝えたい」
「今回の募集が発表されたのがちょうど月食の日だった。患者から『月食だよ』と言われて、病棟からの帰り道、通りがかりの人皆で一緒に月を見るシーンがあった。月は皆が思いを寄せる場所だなと感じ、そこに行けるチャンスがあるなら挑戦したいと感じた」
――趣味は
「体を動かすこと。 中高はテニス部で、 大学時代はヨットやゴルフ、 乗馬なども経験した。 選抜試験への参加を決めてからは、 体を鍛える意味もありトライアスロンに挑戦した」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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