海外ジャーナルクラブ
1年前
Peyrin-Birouletらは、 中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎 (UC) 患者を対象に、 IL-23p19サブユニット拮抗薬グセルクマブの有効性および安全性を第Ⅱb相導入試験QUASARで検討した。 その結果、 12週時点での臨床的改善率はグセルクマブの方がプラセボに比して高かった。 本研究は、 Gastroenterology誌において発表された。
横断的に臨床研究成果を見ていますと、 中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象にした本研究で主要評価項目である12週時点での臨床的改善がプラセボ群でも28%も認めているのは本疾患の大きな特徴と言えます。 通常、 他の疾患の場合にはプラセボ効果は5−10%程度のことが多いです。
副腎皮質ステロイド、 免疫抑制剤、 および/または先進治療に対する効果不十分および/または不耐容の既往を有する中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎患者
患者を以下の群に1;1;1の割合で無作為に割り付けた。
12週時点での臨床的改善
12週時点での臨床的改善率
24週時点の臨床的改善
グセルクマブ投与12週時点で臨床的不応答であった患者のうち、 200mg群では54.3%、 400mg群では50.0%において24週時点に臨床的改善が見られた。
安全性はグセルクマブ群とプラセボ群で同程度であった。
中等症から重症の活動性UCの患者において、 グセルクマブ静注はプラセボに対して有効で、 安全性も確認された。 有効性や安全性について投与量による差は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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