【NEJM】進行淡明細胞型腎細胞癌、 belzutifanでPFS改善
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【NEJM】進行淡明細胞型腎細胞癌、 belzutifanでPFS改善

【NEJM】進行淡明細胞型腎細胞癌、 belzutifanでPFS改善
Choueiriらは、 進行淡明細胞型腎細胞癌の患者を対象に、 低酸素誘導因子2α阻害薬belzutifanの治療効果を第Ⅲ相多施設共同非盲検実薬対照試験で検討した。 その結果、 belzutifanはエベロリムスと比較し、無増悪生存期間 (PFS) および客観的奏効を有意に改善した。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。 

📘原著論文

Belzutifan versus Everolimus for Advanced Renal-Cell Carcinoma.N Engl J Med. 2024 Aug 22;391(8):710-721. PMID: 39167807

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

エベロリムスを対照群としたことが、 大きなlimitationとなっているようです。

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【LITESPARK-005】HIF-2α阻害薬belzutifanが既治療の進行腎細胞癌のPFS改善

欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2023) レポート

目的

既報の淡明細胞型での効果が進行性腎癌で再現されるどうかを検証

低酸素誘導因子2α阻害薬であるbelzutifanは、 初期相の試験で淡明細胞型腎細胞癌に対して臨床活性を示した。 そこで、 進行性腎細胞癌にてさらなる検討を行った。

研究デザイン

既治療例を対象にBelzutifan vs エベロリムスで比較

進行淡明細胞型腎細胞癌を有し、 免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬による治療歴のある患者を対象とし、 以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。

  • Belzutifan群 : 374例
Belzutifan120mgを1日1回経口投与
  • エベロリムス群 : 372例
エベロリムス10mgを1日1回経口投与

主要評価項目はPFSおよび全生存期間 (OS)、 副次評価項目は客観的奏効*(ORR)とし、 病勢進行または許容できない毒性作用が発現するまで継続投与を行った。

*確定された完全奏効 (CR) または部分奏効 (PR) と定義

研究結果

PFS、 ORRを有意に改善

1回目の中間解析 (追跡期間中央値18.4ヵ月)は以下の通りであった。

PFS中央値

両群とも5.6ヵ月

18ヵ月時PFS率

  • Belzutifan群 : 24.0%
  • エベロリムス群 : 8.3%
両側p=0.002であり、 事前に規定された有意性の基準を満たした。

ORR

  • Belzutifan群 : 21.9% (95%CI 17.8-26.5%)
  • エベロリムス群 : 3.5% (同1.9-5.9%)
p<0.001であり、 事前に規定された有意性の基準を満たした。

OSでは両群に有意差なし

2回目の中間解析 (追跡期間中央値25.7ヵ月) の結果は以下の通りであった。

OS中央値

  • Belzutifan群 : 21.4ヵ月
  • エベロリムス群 : 18.1ヵ月

HR 0.88、 95%CI 0.73-1.07、 両側p=0.20

事前に規定した有意性の基準を満たさなかった。

18ヵ月時OS率

  • Belzutifan群 : 55.2%
  • エベロリムス群 : 50.6%

Belzutifan群に新たな安全性の懸念は認められず

Grade 3以上の有害事象はbelzutifan群で61.8% (Grade 5は3.5%)、 エベロリムス群で62.5% (Grade 5は5.3%) に発現した。

なお、 有害事象による投与中止の割合はbelzutifan群で5.9%、 エベロリムス群で14.7%であった。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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