海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Choueiriらは、 進行淡明細胞型腎細胞癌の患者を対象に、 低酸素誘導因子2α阻害薬belzutifanの治療効果を第Ⅲ相多施設共同非盲検実薬対照試験で検討した。 その結果、 belzutifanはエベロリムスと比較し、無増悪生存期間 (PFS) および客観的奏効を有意に改善した。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。
エベロリムスを対照群としたことが、 大きなlimitationとなっているようです。
【LITESPARK-005】HIF-2α阻害薬belzutifanが既治療の進行腎細胞癌のPFS改善
低酸素誘導因子2α阻害薬であるbelzutifanは、 初期相の試験で淡明細胞型腎細胞癌に対して臨床活性を示した。 そこで、 進行性腎細胞癌にてさらなる検討を行った。
進行淡明細胞型腎細胞癌を有し、 免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬による治療歴のある患者を対象とし、 以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目はPFSおよび全生存期間 (OS)、 副次評価項目は客観的奏効*(ORR)とし、 病勢進行または許容できない毒性作用が発現するまで継続投与を行った。
1回目の中間解析 (追跡期間中央値18.4ヵ月)は以下の通りであった。
PFS中央値
両群とも5.6ヵ月
18ヵ月時PFS率
ORR
2回目の中間解析 (追跡期間中央値25.7ヵ月) の結果は以下の通りであった。
OS中央値
HR 0.88、 95%CI 0.73-1.07、 両側p=0.20
18ヵ月時OS率
Grade 3以上の有害事象はbelzutifan群で61.8% (Grade 5は3.5%)、 エベロリムス群で62.5% (Grade 5は5.3%) に発現した。
なお、 有害事象による投与中止の割合はbelzutifan群で5.9%、 エベロリムス群で14.7%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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