海外ジャーナルクラブ
1年前
Misset氏らは、 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に誘発された急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) 成人患者を対象に、 人工呼吸器管理の開始後5日未満に投与する回復期血漿の効果について、 非盲検試験を用いて検討した。 その結果、 標準治療群に比較して28日時点の死亡率が有意に低下した。 本研究はNEJM誌にて発表された。
Convalescent Plasma for Covid-19-Induced ARDS in Mechanically Ventilated Patients
血清療法は1901年に第一回ノーベル医学・生理学賞を受賞しています。 回復患者血清は人類がその疾病に勝ち得た財産であり、 それが治療薬として効果を認めることは今後の未知の感染症に対しても、 血清療法が十分その治療法として存在意義を発揮し続けることでしょう。 早期投与が原則です。
回復期患者から採取した血漿を用いた受動免疫の獲得は、 COVID-19の治療に定期的に用いられている。 しかし、 COVID-19誘発ARDS患者における回復期血漿の使用に関するデータはほとんどない。
COVID-19誘発ARDSで、 人工呼吸器管理の開始から5日未満の成人患者
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
28日目の死亡率
重篤な有害事象の発生率
主要評価項目
28日目の死亡率
p=0.03
重篤な有害事象の発現率に両群間で大きな差は見られなかった。
人工呼吸器管理開始から5日未満のCOVID-19誘発ARDS患者に対し、 中和抗体価が1:160以上の回復期血漿を投与すると、 28日目の死亡率が有意に低下した。 この効果は特に、 人工呼吸器管理の開始から48時間以内に無作為割りつけされた患者に認められた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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