HOKUTO編集部
14日前
切除不能または転移性悪性黒色腫の1次治療において、 抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブ (NIVO+IPI) 併用療法およびニボルマブ単剤療法の有効性を、 イピリムマブ単剤療法を対照に比較検討した第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験CheckMate 067の10年超の長期成績の結果、 NIVO+IPIとNIVO単剤は10年時も持続的なOSの改善傾向を示した。 英・The Royal Marsden HospitalのJames Larkin氏が発表した。 同詳細はN Engl J Med. 2024年9月15日オンライン版に掲載された。
CheckMate 067試験では、 NIVO+IPI併用療法とニボルマブ単剤療法がイピリムマブ単剤療法と比較し、 最短追跡期間6.5年の時点で持続的な臨床的有用性を示すことが既に報告されており¹⁾、 同併用療法は既に国内でも承認されている。 今回、 同試験において、 最短追跡期間10年の最終解析結果が報告された。
前治療歴のない切除不能または転移性の悪性黒色腫患者945例を対象とした。
患者は以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価は無増悪生存期間 (PFS) およびOSだった。
副次的評価項目には客観的奏効率 (ORR)、 NIVO+IPI群 vs NIVO群の記述的有効性評価、 安全性が含まれた。 また、 悪性黒色腫特異的生存率 (MSS) も評価された。
今回は、 2024年4月19日をデータカットオフとした最短追跡期間120ヵ月の最終解析結果より、 OS、 MSS、 安全性の評価が報告された。
OS中央値 (95%CI) は以下のとおりだった。
ハザード比 (HR、 95%CI) は以下の通りで、 10年時においても、 NIVO+IPI群およびNIVO群は有意かつ持続的なOSにおける有効性を示した。
上記の優位性は、 BRAF変異やPD-L1発現の状況にかかわらず一貫して認められた。
OS率は以下の通りだった。
なお、 3年時PFS患者の120ヵ月OS率はそれぞれ、 86% / 85% / 79%だった。
MSS中央値 (95%CI ) は以下のとおりで、 NIVO +IPI群およびNIVO群はIPI群に比べ、 MSSの数値的延長を示した。
HR (95%CI) は以下の通りだった。
MSS率は以下の通りだった。
また、 3年時PFS患者の10年MSS率はそれぞれ97% / 96% / 88%で、 80%以上の腫瘍縮小が認められた患者の10年MSS率はそれぞれ87% / 88% / 80%だった。
NIVO+IPI群の36%、 NIVO群の50%、 IPI群の67%が後治療として全身治療を受けた。
Grade3~4の治療関連有害事象 (TRAE) 発現率は63% / 25% / 30%、 治療中止に至ったTRAE発現率は45% / 16% / 17%だった。 なお、 Grade3~4のTRAEを発現した集団の10年MSS率は、 ITT集団と比較し高かった。
Larkin氏は 「CheckMate 067試験の最短追跡期間10年の最終解析結果より、 進行悪性黒色腫患者の1次治療において、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法とニボルマブ単剤療法は、 イピリムマブ単剤療法と比較し、 持続的な長期生存ベネフィットが認められた。 特に、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法では、 あらゆる腫瘍型に対する抗PD-1抗体の第Ⅲ相試験において、 最も長いOS中央値を示した。 この結果は、 免疫チェックポイント阻害薬2剤併用療法による進行悪性黒色腫の長期予後改善効果を強調するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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