海外ジャーナルクラブ
1年前
Rossらは、 低・中所得国 (LMICs) における石鹸による手洗いが、 急性呼吸器感染症 (ARI) の予防に有効かどうかを系統的レビューとメタ解析で検討。 石鹸による手洗いが、 LMICsにおいてARIを減少させ、 呼吸器疾患の負担を防ぐのに役立つことが示唆された。 本研究はLancet誌において発表された。
Textのlimitationを読んでいますと、 下記の表現がありました。 we did not systematically search grey literature。 Grey literatureとは商業誌のことのようです。 今後のsystematic review and meta-analysisでGrey literatureまで検索するかどうか、 注意して見守っていきたいと思います。
ARIは、 世界的に罹患率と死亡率の主要な原因であり、 ARIによる死亡率の83%は、 COVID-19パンデミック以前のLMICsで発生している。
LMICsにおける石鹸を使った手洗い介入に関する試験で、家庭、 学校、 または保育の場で実施された介入に関するランダム化および非ランダム化対照研究。
石鹸による手洗いの促進
年齢を問わず参加者のあらゆる病原体に起因するARI罹患率。
下気道感染症、 上気道感染症、 診断・検査によるインフルエンザ確認、 診断・検査によるCOVID-19確認、 および全死亡。
石鹸による手洗いを促進する介入は、 手洗い介入なしと比較して、 いずれかのARIを減少させた。
介入は、 下気道感染症および上気道感染症を減少させたが、 インフルエンザ、 COVID-19、 全死亡は抑制しなかった。
有意な異質性の原因となる共変量はなく、 GRADE法で評価したエビデンスは中程度の確実性であった。
石鹸による手洗いを促進する介入は、 LMICsにおいてARIを減少させることができ、 呼吸器疾患の大きな負担を防ぐのに役立つと考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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