海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Jalavaらは、 虫垂切除術の待機中の抗菌薬投与が虫垂穿孔リスクに及ぼす影響を非劣性無作為化比較試験PERFECT-Antibioticsで検討した。 その結果、 抗菌薬を用いない待機が抗菌薬を用いる待機に対して非劣性であることが明らかとなった。 試験結果はJAMA Surg誌に発表された。
本研究の結果は、 術前抗菌薬投与が虫垂炎の重症度に影響を与えず、 抗菌薬を使用せずに手術を待機することも転帰に有意な影響を及ぼさないことを示唆しています。
Adult Appendicitis Score (AAS)
急性単純性虫垂炎では、 炎症の進行抑制と合併症の予防のために虫垂切除術前から抗菌薬を投与することがあるが、 エビデンスは不十分であり、 実臨床での対応も分かれている。 抗菌薬投与が虫垂穿孔率に与える影響を明らかにするため、 無作為化比較試験が実施された。
非劣性無作為化比較試験 (PERFECT-Antibiotics) の対象は、 臨床または画像所見により急性単純性虫垂炎が疑われた18歳以上の成人患者で、 抗菌薬禁忌、 抗菌薬既治療、 妊娠、 穿孔疑い、 早急な手術が必要な症例などは除外した。
患者は、 術前待機中にセフロキシム1500 mg+メトロニダゾール500 mgを8時間ごとに投与する抗菌薬群と術前抗菌薬を投与しない非抗菌薬群に1:1に無作為割り付けされた。 両群とも麻酔導入時に予防的抗菌薬投与を1回行った。
主要評価項目は手術時に診断された虫垂穿孔の有無であり、 非劣性マージンは5%㌽と定義された。 副次評価項目は、 術後30日以内の手術部位感染率などであった。
2020年5月18日~23年1月22日に登録された患者 (1797例) は、 抗菌薬群 (901例) と非抗菌薬群 (896例) に割り付けられ、 最終的に1,774例がintention-to-treat解析に含まれた。
虫垂穿孔率は抗菌薬群が8.3%、 非抗菌薬群が8.9%であり、 両群の絶対差は0.6%㌽ (95%CI -2.0~3.2%㌽、 p=0.66)、 RR 1.07 (95%CI 0.79-1.45)だった。 虫垂穿孔率の差は非劣性マージン内に収まり、 術前抗菌薬投与によるリスク低下効果は示されなかった。
副次評価項目の手術部位感染率は、 抗菌薬群が1.6%、 非抗菌薬群が3.2%であり、両群の絶対差は1.6%㌽ (95%CI 0.2-3.0%㌽、 p=0.03) と、 抗菌薬群の方がわずかに少なかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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