海外ジャーナルクラブ
2年前
Heerspinkらは、 18歳以上のIgA腎症患者を対象に、 非免疫抑制性単分子デュアルエンドセリン・アンジオテンシン受容体拮抗薬sparsentanの有効性と安全性を実薬対照ランダム化比較試験PROTECTで検討。 中間解析の結果、 sparsentanの1日1回投与は蛋白尿の有意な低下をもたらし、 安全性においても対照のイルベサルタンと同等であることが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。
ControlにARBのイルべサルタンというActive Control Groupを置いてのRCTで高い評価を得ています。 本研究成果をもとにFDAの承認が既にされています。
Sparsentanは、 新規の非免疫抑制性単分子デュアルエンドセリン・アンジオテンシン受容体拮抗薬で、 現在、 成人のIgA腎症を対象に第3相試験を実施中である。
レニン・アンジオテンシン系阻害薬治療を最大12週間にわたり投与したにもかかわらず、 1.0 g/日以上の蛋白尿がある18歳以上のIgA腎症患者
患者は以下の群にランダムに割り付けられた。
24時間尿に基づく尿蛋白/クレアチニン比 (UPC比) の、 治療開始から36週目までの変化
UPC比の最小二乗平均変化率は、 sparsentan群 (-49.8%) の方がイルベサルタン群 (-15.1%) よりも有意に大きく、 群間相対減少率は41%となった。
試験開始時点からの体重変化は、 両群間で差がなかった。
治療に伴う有害事象は両群間で同等であった。
重度の水腫、 心不全、 肝毒性、 水腫に関連した中止例はなかった。
IgA腎症の成人患者において、 sparsentanの1日1回投与は、 イルベサルタンと比較して有意な蛋白尿の減少をもたらした。 安全性はイルベサルタンと同様であった。 2年間の二重盲検期間終了後の今後の解析で、 これらの有益な効果がsparsentanの長期的な腎保護作用につながるかどうかが明らかになるだろう。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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