【NEJM】転移を伴う難治性大腸癌、FTD-TPIへのベバシズマブ追加でOS改善
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】転移を伴う難治性大腸癌、FTD-TPIへのベバシズマブ追加でOS改善

【NEJM】転移を伴う難治性大腸癌、FTD-TPIへのベバシズマブ追加でOS改善
Pragerらは、 転移を伴う難治性大腸癌の患者を対象に、 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩 (FTD-TPI) とベバシズマブ併用療法の効果を第Ⅲ相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 FTD-TPI+ベバシズマブの併用療法は、 FTD-TPI単独に比べ全生存期間 (OS) を延長することが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Trifluridine-Tipiracil and Bevacizumab in Refractory Metastatic Colorectal Cancer. N Engl J Med. 2023 May 4;388(18):1657-1667. PMID: 37133585

👨‍⚕️監修医師のコメント

ベバシズマブの追加投与によって生存期間が延長される素晴らしい臨床効果を示しています。 と同時に、 Editorialには効果は常に副反応とともにfinancial costも加味して判断しなければならないとされています。

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背景

第Ⅲ相試験において、 FTD-TPI投与は、 転移を伴う大腸癌患者のOSを延長させた。 単群および第Ⅱ相ランダム化比較試験の予備データから、 ベバシズマブにFTD-TPIを追加投与することにより、 生存期間を延長できる可能性が示唆されている。

試験デザイン

対象

進行大腸癌の治療で過去に化学療法を2レジメン以上受けたことのない成人患者

介入

患者を以下の二群に1:1の割合でランダムに割り付け。

  • 併用群:FTD-TPI+ベバシズマブ併用
  • 単独群:FTD-TPI単独

主要評価項目

OS

副次評価項目

無増悪生存期間 (PFS)、 ECOG PSが0または1から2以上に変動するまでの時間などの安全性

試験結果

OS中央値

  • 併用群:10.8カ月
  • 単独群:7.5カ月
死亡のHR:0.61、 95%CI 0.49-0.77、 P<0.001

PFS中央値

  • 併用群:5.6カ月
  • 単独群:2.4カ月
病勢進行または死亡のHR:0.44、 95%CI 0.36-0.54、 P<0.001

両群で高頻度な有害事象

両群で最も多く認められた有害事象は好中球減少症、 吐き気、 貧血であった。

治療関連死

治療関連死は報告されなかった。

ECOGスコアが2以上に悪化するまでの期間の中央値

  • 併用群:9.3カ月
  • 単独群;6.3カ月
HR:0.54、 95%CI 0.43-0.67

結論

転移を伴う難治性大腸癌患者において、 FTD-TPI+ベバシズマブによる治療は、 FTD-TPI単独治療と比較してOSが延長した。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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