海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Johansenらは、 高齢者を対象に、 高用量不活化インフルエンザワクチン (HD-IIV) と標準用量不活化ワクチン (SD-IIV) の入院予防効果の差を評価することを目的として、 2件の無作為化比較試験 (DANFLU-2、 GALFLU) の個別データを統合した事前規定プール解析で検討した。 その結果、 HD-IIVは、 SD-IIVと比較して、 インフルエンザまたは肺炎による入院を有意に減少させることが明らかとなった。 本研究はThe Lancetにおいて発表された。
HD-IIV を SD-IIV に代えて投与することで、 全原因入院を1件防ぐために必要な接種者数は推定515人となります。
デンマークとスペインで、 HD-IIVとSD-IIVを比較し入院転帰を評価する大規模試験が行われた。 本解析は、 両試験の統合データを解析し、 高齢者における重篤な臨床転帰に対する相対的ワクチン有効性 (rVE) を評価する目的で実施された。
対象は、 65歳以上 (DANFLU-2試験) または65~79歳 (GALFLU試験) の高齢者で、 HD-IIV (各株あたりヘマグルチニン[HA]抗原60μg) 群またはSD-IIV (各株あたりHA抗原15μg) 群に、 1 : 1の割合で無作為に割り付けた。 追跡期間はワクチン接種後14日から翌年5月31日までとした。 主要評価項目はインフルエンザまたは肺炎による入院だった。
46万6,320例が無作為化され、 HD-IIV群 (23万3,311例)とSD-IIV群 (23万3,009例) に割り付けられた。 インフルエンザまたは肺炎による入院は、 HD-IIV群が0.56%、 SD-IIV群が0.62%で、 rVEは8.8%だった (95%CI 1.7-15.5、 片側p=0.0082)。
心肺疾患による入院は2.02% vs 2.16% (rVE 6.3% [95%CI 2.5-10.0]、 p=0.0006)、 検査で確定されたインフルエンザ入院は0.11% vs 0.16% (rVE 31.9% [同 19.7-42.2]、 p<0.0001)、 全入院は8.54% vs 8.73% (rVE 2.2% [同 0.3-4.1]、 p=0.012) だった。
全死因死亡は両群で同程度だった (rVE 1.2% [同 -6.3-8.3]、 p=0.38)。 ICD-10コードに基づくインフルエンザ入院のrVEは39.6% (同 26.4-50.5) で、 肺炎による入院に対する予防効果は明確ではなかった (rVE 2.3% [同 -6.0-10.0])。
重篤な有害事象の発現は両群で同程度だった。
著者らは、 「HD-IIVはSD-IIVと比較して、 高齢者のインフルエンザまたは肺炎による入院に対して優れた予防効果を示した。 インフルエンザワクチンの接種対象者が広範であることを考慮すると、 HD-IIVの導入は公衆衛生上の大きな利益をもたらす可能性がある。 」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。