海外ジャーナルクラブ
19日前

van Mulligenらは、 関節リウマチ (RA) 発症高リスクの関節痛患者を対象に、 時間限定的なメトトレキサート (MTX) 介入の長期効果を無作為化比較試験 (TREAT EARLIER) の5年追跡で検討した。 その結果、 5年時点でACPA陰性例では、 MTX群ではプラセボ群に対してRA発症が減少した (9% vs 32%)。 一方、 ACPA陽性例では2年時にみられた効果が持続せず、 RA発症にも明確な差は示されなかった。 全体コホートでもRA発症の予防には至らなかった。 試験結果はLancet Rheumatology誌に発表された。
本研究の限界の1つには、 3年から5年の間に患者報告アウトカムの評価回数が少なかったことが挙げられます。
Steinbrockerの病期分類、 Larsenの病期分類
TREAT EARLIER試験では、 関節リウマチ (RA) 発症リスクを有する関節痛患者の12ヵ月間の時間限定的なメトトレキサート (MTX) 介入は炎症性負荷を改善したものの、 2年時点でRA発症は予防できなかった。
効果の持続性評価のためには長期の追跡が必要であり、 さらに2年解析では病態生理学的サブタイプ (ACPAの有無) やリスクの異質性が考慮されていなかった。 そこで、 RAの発症高リスク患者にて、 ACPA陽性例と陰性例におけるMTXの長期効果を検討した。
対象は、 臨床的に疑わしい関節痛と無症候性の関節炎症を有する患者で、 オランダの13のリウマチ外来から登録された。 患者は以下2群に1:1で無作為化され、 少なくとも2年間は割り付けが盲検化され、 5年間追跡された。
主要評価項目は、 身体機能障害 (HAQ) とRA発症の2項目とし、 5年解析はACPAで層別化し、 予測リスクが高い (10%超) 対象のみを含めた。
5年解析の対象となった予測高リスクの120例のうち、 66例がACPA陰性、 54例がACPA陽性であった。
ACPA陰性例では、 治療群で身体機能障害の持続的改善 (HAQ平均差 -0.16 [95%CI -0.29~-0.04, p=0.0082]) が得られ、 RA発症は減少した。
ACPA陰性例でのRA発症
HR 0.24、 p=0.018
ACPA陽性例では、 2年時の身体機能障害の改善は持続せず、 RA発症にも明確な差はなかった (治療群 vs プラセボ群 : 31例中18例[58%] vs 23例中15例[65%]、 HR 0.75)。
全体コホート (236例) では、 治療群の身体機能障害は5年間にわたり持続的に改善した (HAQ平均差 -0.06, 95%CI -0.14~-0.05, p=0.048) ものの、 RA発症は予防されなかった (治療群 vs プラセボ群 : 119例中26例 [22%] vs 117例中31例 [27%])。
著者らは、 「単回の筋注グルココルチコイドと1年間のMTXによる二次予防は、 ACPA陽性例と陰性例でRA発症に対する長期効果が異なっており、 ACPA陰性例ではRA発症の長期的な減少が得られたが、 陽性例では持続的な改善は認められなかった。 これらの結果により、 RA発症リスクを有する関節痛患者において、 ACPA陽性例/陰性例で異なる治療戦略が必要であることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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