海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Freek R van 't Landらは、 膵癌患者を対象に、 樹状細胞 (DC) を用いた免疫療法の再発予防効果を第I/II相単施設非盲検単群試験で検討した。 その結果、 膵癌患者における補助DCベースの免疫療法後の2年無再発生存率 (RFS) が60%以上であることが明らかとなった。 本研究はJournal of Clinical Oncologyにて発表された。
この研究の続編のII/III相試験が2029年には完結するようなので、 結果が期待されます。
ボーダーライン膵癌の術前療法、Gem+nab-PTX vs S-1+RT
進行膵癌において、 従来の免疫療法の効果は限られているが、 最近の研究ではDCを用いた免疫療法が膵癌抗原に対するT細胞応答を誘導することが報告されている。
膵癌切除後、 標準治療が完了し、 横断画像検査で再発が認められないことなどを適格条件とした。
患者は2週間ごとに3回DCワクチン療法*を受けた。
再発がない場合、 患者は3回目のDCワクチン療法から3ヵ月後に4回目、 6ヵ月後に5回目のDCワクチン療法を受けた。
2年RFS率が60%以上を達成した場合を「臨床的に意義のある改善」と定義した。
また、 循環血中活性化CD4+T細胞の活性化や、 治療誘導性免疫応答も評価した。
全例のうち28例 (74%) が5回、 3例 (8%) が4回、 7例 (16%) が3回DCワクチン接種を受けた。
中央値25.5ヵ月の追跡の結果、 26例 (68%) に再発を認めなかった。
また、推定2年RFS率は64%だった。
DCワクチン接種により循環血中活性化CD4+T細胞が強化され、 in vitroで治療に誘導された免疫応答が認められた。
著者らは 「本試験は主要評価項目である2年RFS率60%以上を達成した。 この結果は、切除後膵癌におけるDCワクチン療法の有効性を調査する将来の無作為化比較試験を保証するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。