【J Clin Oncol】切除後膵癌に樹状細胞を用いた免疫療法でRFS改善
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【J Clin Oncol】切除後膵癌に樹状細胞を用いた免疫療法でRFS改善

【J Clin Oncol】切除後膵癌に樹状細胞を用いた免疫療法でRFS改善
Freek R van 't Landらは、 膵癌患者を対象に、 樹状細胞 (DC) を用いた免疫療法の再発予防効果を第I/II相単施設非盲検単群試験で検討した。 その結果、 膵癌患者における補助DCベースの免疫療法後の2年無再発生存率 (RFS) が60%以上であることが明らかとなった。 本研究はJournal of Clinical Oncologyにて発表された。 

📘原著論文

Dendritic Cell-Based Immunotherapy in Patients With Resected Pancreatic Cancer. J Clin Oncol. 2024 Jul 1:JCO2302585. Epub ahead of print. PMID: 38950309.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

この研究の続編のII/III相試験が2029年には完結するようなので、 結果が期待されます。

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目的

DCを用いた免疫療法による膵癌再発予防効果を評価

進行膵癌において、 従来の免疫療法の効果は限られているが、 最近の研究ではDCを用いた免疫療法が膵癌抗原に対するT細胞応答を誘導することが報告されている。

研究デザイン

対象は膵癌患者38例

膵癌切除後、 標準治療が完了し、 横断画像検査で再発が認められないことなどを適格条件とした。

2週間隔で3回DCワクチンを投与

患者は2週間ごとに3回DCワクチン療法*を受けた。

再発がない場合、 患者は3回目のDCワクチン療法から3ヵ月後に4回目、 6ヵ月後に5回目のDCワクチン療法を受けた。

*1回あたり、 約25×10⁶個の樹状細胞を使用

主要評価項目は2年RFS率

2年RFS率が60%以上を達成した場合を「臨床的に意義のある改善」と定義した。

また、 循環血中活性化CD4+T細胞の活性化や、 治療誘導性免疫応答も評価した。

研究結果

対象の74%が5回DCワクチン接種を完了

全例のうち28例 (74%) が5回、 3例 (8%) が4回、 7例 (16%) が3回DCワクチン接種を受けた。

推定2年RFS率は64%

中央値25.5ヵ月の追跡の結果、 26例 (68%) に再発を認めなかった。

また、推定2年RFS率は64%だった。

治療による免疫応答を確認

DCワクチン接種により循環血中活性化CD4+T細胞が強化され、 in vitroで治療に誘導された免疫応答が認められた。

著者らの結論

無作為化比較での有効性評価に期待

著者らは 「本試験は主要評価項目である2年RFS率60%以上を達成した。 この結果は、切除後膵癌におけるDCワクチン療法の有効性を調査する将来の無作為化比較試験を保証するものである」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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