海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Luoらは、 糖尿病関連死亡28万9,902例を対象に気温との関連を検証した。 その結果、 高気温 (31.0℃) では、 最も死亡リスクの低い気温と比較して、 その後0~6日間での糖尿病関連死亡リスクが25%増加した (OR 1.25、 95%CI 1.22–1.29)。 また、熱関連死亡への影響には、 糖尿病の病型や合併症ごとに地域差がみられた。 温暖地域では2型糖尿病、 寒冷地域では1型糖尿病で、 高気温による死亡リスクがより高かった。 試験結果はLancet Planet Health誌に発表された。
気温研究全般的に言えることですが、 個人レベルではなく環境気温データを用いたため曝露誤分類が生じ、 真の効果を過小評価している可能性があります。
世界的な気温上昇は、 各地で健康リスクとなっている。 特に糖尿病患者は体温調節機能障害のため暑さに脆弱であるが、 糖尿病での気温と死亡の関連は十分に検討されていない。
糖尿病関連死亡28万9,902例を対象に、 個人レベル・時間層別化ケースクロスオーバー研究を実施した。 糖尿病全体、 糖尿病病型別ならびに合併症別での全国レベルでの気温と死亡との関連を推定したほか、 気候帯別での違いも検討した。
また、 将来の熱起因糖尿病死亡負担について、 3段階の気候変動シナリオ (温室効果ガス低排出、 中程度排出、 高排出) の下で2099年まで予測した。 加えて、 暑さが健康に与える影響 (曝露反応係数) が低減すると仮定した複数シナリオでも評価した。
高気温 (31.0℃) では、 最も死亡リスクの低い気温と比較して、 その後0~6日間での糖尿病関連死亡リスクが増加した (OR 1.25、 95%CI 1.22–1.29)。 この上昇は、 寒冷地域ほど大きかった。
温暖地域では2型糖尿病、 寒冷地域では1型糖尿病で、 高気温による死亡リスクがより高かった。
地域ごとに熱感受性の高い合併症は異なり、 亜熱帯ではケトアシドーシス、 腎症、 温帯モンスーンでは末梢血管疾患、 腎症、 温帯大陸性では昏睡、 末梢血管疾患が顕著であった。
2090年には、 高排出シナリオにおいて、糖尿病関連死亡の11.16% (95%CI 6.11–18.01%) が高気温に起因すると予測され、 特に温帯大陸性気候帯では、昏睡や末梢血管疾患における熱起因割合が高かった。
また、 高齢化と人口増加により、熱関連死亡はさらに約1%㌽増える一方、 曝露反応係数が50%低減した場合には、約5%㌽減少すると見積もられた。
著者らは、 「本研究は、 糖尿病での熱関連死亡には地域差が存在することを示した。 温暖化が進行する中、 糖尿病患者には、 地域に特化した気候配慮型の公衆衛生対策が必要であることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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