HOKUTO編集部
7日前

Stage IIB~IVの悪性黒色腫患者を対象に、 個別化ネオアンチゲン療法intismeran autogeneと抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用による術後療法を評価した第III相二重盲検無作為化比較試験INTerpath-001の第1回中間解析結果が報告された。 intismeran併用群は、 プラセボ+ペムブロリズマブ群と比較して、 無再発生存期間 (RFS) と無遠隔転移生存期間 (DMFS) を有意に改善した。 オーストラリア・Melanoma Institute AustraliaのGeorgina V. Long氏が発表した。 なお、 同試験の詳細はN Engl J Med誌に2026年11月11日掲載予定である。
切除後の高リスク悪性黒色腫では、 抗PD-1抗体による術後療法を受けても再発する例が多い。 また、 術後療法における免疫チェックポイント阻害薬の二重阻害は、 有効性の上乗せを示さず、 毒性を増加させた。
intismeran autogeneは、 患者ごとの腫瘍変異に基づいて選択した最大34種のネオアンチゲンをコードするmRNAを、 脂質ナノ粒子に封入した製剤である。
第IIb相KEYNOTE-942試験では、 ペムブロリズマブ単独と比較して、 intismeran併用によるRFSとDMFSの改善が報告された¹⁾。
INTerpath-001試験では、 切除後のStage IIB/IIC、 IIIまたはIVの皮膚悪性黒色腫患者1,137例 (18歳以上、 ECOG PS 0/1、 全身療法歴なし) を、 以下の2群に2:1で無作為に割り付けた。
ペムブロリズマブは無作為化時に、 intismeranは製剤の供給後に投与を開始した。
主要評価項目は担当医判定のRFS、 副次評価項目はDMFS、 全生存期間 (OS) などで、 RFS、 DMFS、 OSの順に階層的に検定した。 データカットオフは2026年6月30日、 追跡期間中央値は24.6ヵ月であった。
再発または死亡は、 intismeran群136例 (18.0%)、 プラセボ群111例 (29.2%) に認められた。 RFSのHRは0.58 (95%CI 0.45–0.75、 両側p<0.001)、 24ヵ月RFS率は82.2% vs 70.0%であった。
期間別に評価した非層別の感度解析では、 HRは6ヵ月までが0.99 (95%CI 0.66–1.49)、 6ヵ月超が0.42 (95%CI 0.30–0.58) で、 6ヵ月超の期間で再発または死亡リスクの低減が認められた。
病期別のサブグループ解析では、 RFSのHRはStage IIB/IIC/IIIA/IIIBで0.60、 IIIC/IIID/IVで0.57であった。
DMFSはintismeran群で有意に改善し、 HRは0.62 (95%CI 0.45–0.85、 両側p=0.002)、 24ヵ月DMFS率は88.5% vs 80.2%であった。
OSデータはimmatureで、 HRは0.77 (95%CI 0.45–1.31、 両側p=0.33) と、 事前に規定した有意水準には達しなかった。 引き続き追跡が行われている。
安全性解析対象 (intismeran群755例、 プラセボ群380例) における全因果のGrade 3~5の有害事象は23.6% vs 20.3%、 両剤の同時中止に至った有害事象は6.5% vs 5.3%であった。
死亡に至った有害事象は8例 (1.1%) vs 0例で、 intismeranとの関連が認められたものはなかった。 intismeran群の8例中5例は同剤の初回投与前に発生し、 うち2例はペムブロリズマブ関連と判断された。
intismeran群では、 発熱 (52.2% vs 8.2%) と注射部位痛 (51.0% vs 9.5%) が多く認められたが、 これらは低Gradeで一過性であった。 演者らは、 intismeranの併用によるペムブロリズマブ関連の有害事象の増強は認められなかったとした。
INTerpath-001は、 主要評価項目のRFSと副次評価項目のDMFSをいずれも達成した。 併用により再発または死亡リスクを42%、 遠隔転移または死亡リスクを38%低減し、 安全性はこれまでの知見と概ね一致した。 演者らは、 術後の悪性黒色腫における新たな基準を示し、 個別化医療における重要な進歩であると結論した。
1) J Clin Oncol. 2026 Sep 10;44:2482-2489.
【Nat Rev Dis Primers】皮膚悪性黒色腫 総説
遺伝子改変腫瘍溶解ウイルス+ニボルマブ、 悪性黒色腫にFDA迅速承認
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。