海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Selänneらは、 合併症のない急性虫垂炎の患者を対象に、 経口抗菌薬単剤療法と静脈投与および経口投与による抗菌薬併用療法の有効性を非劣性多施設共同無作為化比較試験APPAC Ⅱで検討した。 その2次解析の結果、 3年時点の治療成功率は経口抗菌薬単剤群においてわずかに低かったものの、 経口抗菌薬単剤群の静脈・経口抗菌薬併用群に対する非劣性は証明できなかった。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
少し結論が分かりにくいと思います。 こういう時にはJAMAはMeaningと言って研究の意義を書いています。 そこには 、 アカデミアではあまり使用しないviable(実行可能) を用いてoral antibiotic monotherapy is a viable treatmentと書かれてありました。
Pediatrics Appendicitis score (PAS)
これまでの短期的なエビデンスでは、 合併症のない急性虫垂炎は抗菌薬の経口投与のみで良好に治療できることが示されているが、 長期的な結果は明らかになっていない。
合併症のない急性虫垂炎の18~60歳の患者
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
3年時点の治療成功
1年後の虫垂炎再発率、 治療関連有害事象、 QOL、 入院期間、 病気休暇期間
3年時点の治療成功率
群間差 : -1.8%㌽
(同-8.3%㌽-∞、 非劣性のp=0.14)
治療関連有害事象、 QOL、 入院期間、 病気休暇期間に群間差はなかった。
著者らは、 「APPAC II試験の2次解析では、 経口抗菌薬単剤療法を受けた患者において虫垂切除率がわずかに高いことが示された、 しかし、 経口抗菌薬単剤療法の静脈・経口抗菌薬投与併用に対する非劣性は証明できなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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