海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Dennisらは、 2型糖尿病 (DM) 患者を対象に、 日常的に利用可能な臨床的特徴を用いて、 血糖降下薬の5つの薬物クラスの相対的な効果を予測するモデルを、 コホート研究および臨床試験データを用いて開発・検証した。 その結果、 モデルで予測された最適な治療と一致した治療を受けた患者は、 そうでない治療を受けた患者と比べて12ヵ月間のHbA1c、 追加治療を要する可能性や糖尿病合併症のリスクが低く、 このモデルが血糖降下療法の最適化に寄与する可能性が示された。 研究結果はLancet誌に発表された。
予測モデルの開発と検証がなされていますが、 80歳以上はそもそも除外されているので注意が必要です。
現時点で、 2型DM患者に対する最適な血糖降下療法の個別選択をサポートするデータが不足している。
そこで、 同研究では、 DPP-4阻害薬、 GLP-1受容体作動薬、 SGLT2阻害薬、SU薬、 チアゾリジン薬の投与開始後12ヵ月間のHbA1c絶対値により相対的な効果を予測する5つの薬物クラスモデルを開発し、 検証した。
イングランドの観察データ (Clinical Practice Research Datalink [CPRD] Aurum) を用いて、 2004年1月1日~20年10月14日に上記5つの薬剤クラスのいずれかを開始した18~79歳の2型DM患者を対象としてモデルの開発・検証が実施され、 地域と暦期間に応じたホールドバック検証が行われた。
このモデルは、 2型DMを対象とした無作為化試験3件 (3剤併用クロスオーバー試験TriMaster、 並行群間比較試験2件) の患者個別データを用いて、 さらに検証された。
CPRDの検証では、 モデルで予測された最適治療と一致する治療を受けたモデル一致群とモデルで予測された最適治療を受けなかったモデル不一致群 (1 : 1) の間で、 観察された効果の差を評価した。
さらに検証するために、 すべてのデータセットで薬物クラスのペアワイズ比較を行った。
また、 CPRDのモデル一致群とモデル不一致群の長期転帰との関連性を評価し、 人口統計学的および臨床的共変量で調整したCox比例ハザード回帰分析を用いて、 血糖コントロール不良 (HbA1cが69mmol/mol以上)、 全死因死亡率、 主要な心血管イベントまたは心不全 (MACE-HF) 転帰、 腎機能障害の進行、 および微小血管合併症の5年リスクを評価した。
5つの薬剤クラスモデルは、 CPRDに登録された10万107件の薬剤開始事例から開発された。
CPRDコホート全体 (開発コホートと検証コホートを組み合わせたもの) では、 21万2,166例の薬剤開始事例のうち3万2,305例 (15.2%) がモデルで予測された最適治療を受けていた。
12ヵ月間のHbA1c平均値は、 モデル一致群がモデル不一致群と比較して、 CPRD地理的検証コホートでは5.3mmol/mol (95%CI 4.9-5.7mmol/mol)、 CPRD時間検証コホートでは5.0mmol/mol (同 4.3-5.6mmol/mol) の改善を示した。
また、 臨床試験3件における薬物クラス、 およびCPRDにおける5つの薬剤クラスのペアワイズ比較で、 予測されたHbA1cの差は実際のHbA1cの差と概ね一致していた。
5年間の長期転帰について、 モデル一致群は、 モデル不一致群と比べて以下のような傾向が認められた。
著者らは 「この研究では、 モデルで予測された最適な治療と一致した治療を受けた患者は、 そうでない治療を受けた患者と比べて12ヵ月間のHbA1cが低く、 追加治療を要する可能性や糖尿病合併症のリスクも低かった。 設定に応じた最適化が可能であり、 日常的に収集されるパラメータを使用することから、 このモデルは世界のほとんどの国で臨床ケアに簡単に導入することができる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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