HOKUTO編集部
12ヶ月前

切除可能なII-IVa期の胃癌・胃食道接合部腺癌 (GC/GEJC) を対象に、 周術期治療として抗PD-L1抗体デュルバルマブのFLOT (フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル) への上乗せによる有効性および安全性を評価した国際多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験MATTERHORNの中間解析において、 EFSの有意な改善が示された。 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのYelena Y. Janjigian氏が発表した。 同詳細はN Engl J Med. 2025年6月1日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
GC/GEJCの周術期治療において、 標準治療であるFLOTは生存率を改善するが、 再発率は依然として高い。
抗PD-L1抗体と化学療法の併用は有望な結果を示し、 転移性GC/GEJCへの治療において承認されている一方で、 周術期治療では承認されていない。 そこでMATTERHORN試験では、 周術期化学療法へのデュルバルマブ上乗せによる有効性および安全性が評価された。
日本を含むアジア、 北米、 南米、 欧州において登録された、 切除可能な未治療のII-IVa期GC/GEJC 948例が、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は無イベント生存期間 (EFS)*、 重要な副次評価項目は全生存期間 (OS)および病理学的完全奏効 (pCR)、 その他の副次評価項目は無病生存期間 (DFS) だった。
患者は地域 (アジア、 非アジア)、 リンパ節転移 (有無)、 PD-L1発現 (TAP≧1%、 TAP<1%) で層別化された。
年齢中央値はデュルバルマブ群で62歳、 プラセボ群で63歳、 男性はそれぞれ68.8%、 75.1%で、 両群の19%がアジアの施設で治療を受けていた。
ベースラインにおいてECOG PS 1はデュルバルマブ群で28.9%、 プラセボ群で22.8%、 胃癌はそれぞれ68.4%、 66.7%、 リンパ節転移陽性は69.4%、 69.6%、 PD-L1 TAPスコア≧1%は89.9%、 90.1%、 マイクロサテライト不安定性が高い状態 (MSI-High) は5.3%、 5.1%と、 いずれも両群間で概ね同様だった。
術前療法としてデュルバルマブまたはプラセボの投与完遂割合はデュルバルマブ群で97%、 プラセボ群で95%、 FLOTの投与完遂割合はそれぞれ96%、 95%だった。
手術の完遂割合はそれぞれ87%、 84%で、 そのうちR0切除を達成した割合は両群とも92%だった。 術後療法を受けた患者の割合はそれぞれ77%、 74%だった。
追跡期間中央値31.5ヵ月 (四分位範囲 26.7-36.6ヵ月) におけるEFS中央値は、 デュルバルマブ群が未到達 (95%CI 40.7ヵ月-NR) であり、 プラセボ群の32.8ヵ月 (同 27.9ヵ月-NR) と比べて有意に延長した (HR 0.71 [同 0.58-0.86]、 p<0.001)。 24ヵ月時EFS率は、 デュルバルマブ群が67.4%、 プラセボ群が58.5%だった。
女性、 アジア、 リンパ節転移なし、 TAP<1%、 ECOG PSが1、 びまん型の患者を除く多くのEFSサブグループにおいて、 デュルバルマブ群のベネフィットは一貫して認められた。
OS中央値は、 デュルバルマブ群が未到達 (95%CI NR-NR)、 プラセボ群が47.2ヵ月 (同 45.1ヵ月-NR) だった (HR 0.78 [同 0.62-0.97]、 p=0.025*、 成熟度33.9%)。 24ヵ月時OS率はそれぞれ、 75.7%、 70.4%だった。
pCR率は、 プラセボ群の7.2% (95%CI 5.0-9.9%) と比べてデュルバルマブ群が19.2% (同 15.7-23.0%) と有意に高かった (群間差 12%㌽、 OR 3.08 [同 2.03-4.67]、 p<0.001)。
R0切除の達成集団におけるDFSは、 デュルバルマブ群が未到達 (95%CI NR-NR)、 プラセボ群が39.8ヵ月 (同 38.7ヵ月-NR) だった (HR 0.70 [同 0.53-0.93])。 24ヵ月時DFS率は、 それぞれ75.2%、 66.2%だった。
Grade3以上の治療に関連している可能性がある有害事象 (AE) はデュルバルマブ群で59.6%、 プラセボ群で59.1%、 中止に至ったAEはそれぞれ29.9%、 22.8%、 Grade3以上の免疫介在性有害事象 (irAE) は7.2%、 3.6%だった。
Janjigian氏は 「GC/GEJCの周術期において、 デュルバルマブのFLOTへの上乗せでEFSが有意に改善し、 EFSのベネフィットは多くのサブグループでも一貫して示された。 OSは良好な結果を示したものの最終解析結果を待つ必要がある。 また今回のレジメンで新たな安全性シグナルは検出されなかった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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