海外ジャーナルクラブ
2年前
Mantovaniらは, 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) が新規心不全の発症リスクに及ぼす影響をメタ解析で検討. その結果, NAFLDは, 糖尿病, 高血圧などの心血管危険因子の有無にかかわらず, 新規心不全発症の長期リスクと1.5倍関連していることが明らかとなった. 本研究はGut誌において発表された.
本日は統計モデルの解説です.
◆Fixed effect model (固定効果モデル)
統合する研究によらず同一と仮定したモデル
◆Random effect model (変量効果モデル)
研究により生じるばらつきに原因があると考えるモデル. 通常メタアナリシスではRandom effect modelを使用します.
年齢、AST、ALT、血小板数から算出される肝線維化予測式¹⁾. 日常診療で簡便に測定できるため、1次スクリーニングとして利用される¹⁾²⁾. FIB-4 index ≧ 1.3は肝線維化進行のリスクがあり、専門医療機関での精査が望まれる.
年齢、BMI、耐糖能異常、AST、ALT、血小板数、Albから算出される肝線維化予測式¹⁾. 日常診療で簡便に測定できるため、1次スクリーニングとして利用される¹⁾²⁾. NFS ≧ -1.455の場合は専門医療機関へのコンサルテーションが推奨される.
🔢 肝障害度分類
🔢 MELDスコア
最近の研究では, NAFLDと新規心不全の発症リスク増加との関連が報告されている. しかし,そのリスクの大きさや,肝疾患の重症度によってリスクが変化するかどうかは,依然として不明である.
血清バイオマーカー/スコア, ICDコード, 画像診断, 肝臓組織学によってNAFLDと診断された11件のコホート研究を同定.
主要評価項目は, ICDコードで評価した新規心不全発症率とした.
11件のコホート研究より, 中年期の患者1,124万2,231名を特定.
NAFLDは, 糖尿病, 高血圧, その他の一般的な心血管危険因子の有無にかかわらず, 心不全の新規発症の長期リスクと1.5倍関連している. しかし,観察研究のため,因果関係を証明することはできない.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。