海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Tombal氏らは進行性前立腺癌を対象に、 レルゴリクスとリュープロリドがそれぞれ健康関連QOL (HRQOL) に及ぼす影響について、 第Ⅲ相無作為化比較試験HEROにより検討した。 その結果、 双方の治療間でHRQOLに統計学的有意差は認められなかった。 本研究はEur Urolにおいて発表された。
HERO Studyの2解析で、 かつ元々の割り付けが2:1で有意差が出にくくなっています。 仮説の提唱までかと思いますので、 実臨床応用には注意が必要です。
経口ゴナドトロピン放出ホルモン受容体拮抗薬のレルゴリクスは、 HERO試験において、 進行性PCa患者のテストステロンが著しく抑制されることを示した。 進行性PCa患者において、 日常生活に影響を与える進行性PCaの全身療法が患者のHRQOLに与える影響の理解は極めて重要である。
進行性前立腺癌の患者
患者を以下の群に2 : 1の割合で無作為に割り付けた。
欧州癌研究治療機構のQOL質問票 (EORTC QLQ-C30) および前立腺癌モジュール (EORTC QLQ-PR25) に基づくHRQOL評価
HRQOL悪化の予測因子評価
HRQOL評価の指標に用いたEORTC QLQ-C30、 およびEORTC QLQ-PR25のいずれにおいても、 ベースラインから治療終了時までの変化に群間の統計学的有意差は認められなかった。
テストステロン回復期のホルモン治療関連症状スコアは、 レルゴリクスがリュープロリドに比較して低値を示したことから、 ホルモン関連症状の負担がより低く、 治療中止後のテストステロン回復がより早い治療法であると示唆された。
レルゴリクスは、 リュープロリドと同様のHRQOLを示す治療選択肢であり、 治療中止後のテストステロン回復も早い可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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