海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Bar-Orらは、 再発型多発性硬化症患者を対象に、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬fenebrutinibの有効性および安全性を第Ⅱ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験 (FENopta) で検討した。 その結果、 fenebrutinibは新規脳病変形成を有意に抑制し、 忍容性も良好であることが明らかとなった。 本研究はLancet Neurol誌において発表された。
fenebrutinibの有効性と安全性を評価するため、 現在3件の第Ⅲ相試験が進行中です。 2件は再発型MSに対してテリフルノミドとの比較試験であり、 もう1件は原発性進行型MSに対してオクレリズマブとの直接比較試験です。
BTK阻害薬はB細胞およびミエロイド系細胞を介して多発性硬化症の病態に作用すると考えられているが、 これまでの試験では効果の大きさや持続性に一貫性が認められず、 その臨床的意義が疑問視されてきた。 本研究では、 選択性が高く非共有結合性・可逆的なBTK阻害薬であるfenebrutinibの有効性と安全性を評価した。
対象は18~55歳、 EDSSスコア0.0~5.5で、 直近に疾患活動性を有する再発型多発性硬化症患者だった。 患者はfenebrutinib経口投与 (200mgを1日2回) を行うfenebrutinib群とプラセボ群に2 : 1の割合で割り付けられ、 12週間治療を受けた。 投与終了後は最大192週間のオープンラベル延長試験への移行が可能だった。 主要評価項目は4、 8、 12週時点における脳MRIでの新規T1ガドリニウム造影 (Gd+) 病変の合計数で、 副次評価項目は年換算再発率などだった。
109例が無作為化され、 fenebrutinib群に73例、 プラセボ群に36例が割り付けられた。
新規T1 Gd+病変数はfenebrutinib群で0.077個 (95%CI 0.043-0.135)であり、 プラセボ群の0.245個 (95%CI 0.144-0.418) に比べて、 69%の相対的減少を認めた (95%CI 34-85%、 p=0.0022)。
オープンラベル延長試験48週時点で未調整の年間再発率は0.04であり、 99例中95例 (96%) が未再発だった。
二重盲検治療期間中、 fenebrutinib群でプラセボ群より頻度が高かった主な有害事象は、 肝酵素上昇 (6% vs 0%)、 頭痛 (4% vs 3%)、 鼻咽頭炎 (3% vs 0%) で、 重篤な有害事象や死亡例の報告はなかった。
著者らは、 「fenebrutinibは、 再発型多発性硬化症患者において良好な忍容性を示し、 新規脳病変の進行を抑制する早期、 強力かつ持続的な効果を発揮した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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