海外ジャーナルクラブ
1年前

東京大学大学院医学系研究科の神馬崇宏氏らの研究グループは、 本邦の2型糖尿病患者を対象に、 SGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の腎保護効果に対するBMI (肥満度) の影響を全国規模のコホート研究で比較した。 その結果、 SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬と比べてeGFRの年間低下を抑制し、 この腎保護効果はBMIが高いほど顕著であることが示された。 研究結果は、 Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother誌に発表された。
日本からのBMI研究では、 この研究でもBMIは27.0 (24.3-30.1) であるように、 WHO基準のBMI>30の肥満が少ないことがlimitationとなります。
SGLT2阻害薬に腎保護効果があることは知られているが、 その効果が患者のBMIによりどの程度変化するかは明らかになっていなかった。 肥満は腎機能障害の危険因子であるため、 SGLT2阻害薬の効果に対するBMIの影響を明らかにすることは、 個別化医療の観点から重要である。
そこで、 全国規模のコホート研究を実施し、 BMIのSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の腎保護効果に及ぼす影響を評価した。
全国規模のコホート研究で、 傾向スコアマッチングを用いて新たにSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の服用した2型糖尿病患者を以下の2群に分けた。
主要評価項目は線形混合効果モデルを用いて評価した年間eGFR低下とし、 SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬で比較した。

全体で、 SGLT2阻害薬群ではDPP-4阻害薬群と比べてeGFR の年間低下が抑制された (-1.34mL/分/1.73m² vs -1.49mL/分/1.73m²)。 この腎臓保護効果は、 BMIが高い患者で顕著であった (交互作用のp=0.0017)。
さらに、 結果の定義をeGFRの30%または40%低下を含むよう調整しても、 DPP-4阻害薬に対するSGLT2阻害薬の潜在的な優位性は維持され、 BMIが高いほど効果が増大する傾向がみられた。 この相互作用効果は腎機能が保たれている患者で明らかであった。
著者らは 「SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬と比べてBMIの幅広い範囲で腎機能を改善し、 過体重または肥満であるにも関わらず腎機能が保持されている患者で顕著であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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