海外ジャーナルクラブ
4日前
Gilbertらは、 高濃度乳腺女性の乳癌検診で、 マンモグラフィが陰性であった場合に追加すべき補助的画像検査を検討するために無作為化比較試験BRAIDを実施し、 その中間結果を報告した。 その結果、 簡易MRI、 造影マンモグラフィが乳癌の早期発見に寄与する可能性が示唆された。 試験結果はLancet誌に発表された。
この試験は初期検出能の比較に焦点を当てた設計であり、 乳がん特異的死亡率の低下や過剰診断といった長期的アウトカムを評価する目的では実施されていません。
高濃度乳腺女性の乳癌検診で、 マンモグラフィが陰性であった場合、 どの補助的画像検査が最も有用であるかは明らかになっていない。 そこで、 簡易MRI、 自動全乳房超音波検査 (ABUS)、 造影マンモグラフィの3つを比較し、 今回はその中間結果を発表した。
マンモグラフィが陰性であった50~70歳の高濃度乳房女性9,361例を簡易MRI、 ABUS、 造影マンモグラフィ、 通常ケア (全視野デジタルマンモグラフィ) に割り付けた。 主要評価項目は検出率とし、 補助的画像検査で陽性となり、 組織学的にも乳癌と確定診断された割合と定義した。
解析は2種類実施され、 第1の解析では検査3種それぞれの結果を全視野デジタルマンモグラフィ単独と比較した。 第2の解析では、 ケンブリッジ検診センターの全視野デジタルマンモグラフィ単独のデータも加えて検討した。
簡易MRIによる癌検出率は、ABUSに比し有意に高く(p=0.047)、造影マンモグラフィとの有意差はなかった(p=0.62)。
検出率は以下の通り。
95%CI 12.2-23.9件、 37例
95%CI 1.9-8.0件、 9例
95%CI 13.7-26.1件、 39例
上記のうち、 浸潤癌の検出率は以下の通り。
95%CI 10.3-21.1件、 32例
95%CI 1.9-8.0件、 9例
95%CI 10.8-22.1件、 32例)
有害事象は、 簡易MRI群で造影剤漏出が1件、 造影マンモグラフィ群でヨード造影剤反応が24件、 造影剤漏出が3件報告された。 ABUS群では有害事象の報告はなかった。
著者らは 「簡易MRIと造影マンモグラフィの浸潤癌検出数がABUSの3倍で、 検出された腫瘍サイズも2分の1であった。 マンモグラフィが陰性であった高濃度乳房女性に対する補助的画像検査が乳癌の早期発見に寄与する可能性が示されたが、 過剰診断については評価されていない」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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