海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Healey氏らは、 無症候性心房細動 (AF) を対象に、直接作用型経口抗凝固薬 (DOAC) アピキサバンと抗血小板薬アスピリンの脳卒中予防効果について二重盲検無作為化比較試験ARTESIAを用いて比較検討した。 その結果、 アピキサバンはアスピリンに比較して脳卒中や全身性塞栓症のリスクを減少させた一方で、 大出血のリスクは増加した。 本研究はNEJM誌において発表された。
今回のように有効性と安全性が逆の結果となった場合にはNEJMはclinical implementationをJAMA、 Lancetのように記載していないので読者各自でしっかりと考える必要があります。
無症候性AFは脳卒中リスクを2.5倍上昇させるとされるが、 経口抗凝固療法による治療の有用性は不明であった。
ペースメーカー、 植込み型除細動器、 心臓モニターにより検出された、 6分~24時間の持続するAFを有する患者 4,012例を対象とした。
1 : 1の割合で2群に無作為に割り付けた。
- アピキサバン群 2,015例
- アスピリン群 1,997例
脳卒中または全身性塞栓症の発生率
大出血の発生率
- アピキサバン群 : 0.78%/人年
- アスピリン群 : 1.24%/人年
HR 0.63、 p=0.007
- アピキサバン群 : 1.71%/人年
- アスピリン群 : 0.94%/人年
HR 1.80、 p=0.001
無症候性AFにおいて、 アピキサバンはアスピリンに比較して脳卒中や全身性塞栓症リスクを減少させた一方で、 大出血リスクは増加した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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