【NEJM】アピキサバン、無症候性AFの脳卒中リスク減も大出血は増加
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【NEJM】アピキサバン、無症候性AFの脳卒中リスク減も大出血は増加

【NEJM】アピキサバン、無症候性AFの脳卒中リスク減も大出血は増加
Healey氏らは、 無症候性心房細動 (AF) を対象に、直接作用型経口抗凝固薬 (DOAC) アピキサバンと抗血小板薬アスピリンの脳卒中予防効果について二重盲検無作為化比較試験ARTESIAを用いて比較検討した。 その結果、 アピキサバンはアスピリンに比較して脳卒中や全身性塞栓症のリスクを減少させた一方で、 大出血のリスクは増加した。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Apixaban for Stroke Prevention in Subclinical Atrial Fibrillation. N Engl J Med. 2023 Nov 12. PMID: 37952132

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

今回のように有効性と安全性が逆の結果となった場合にはNEJMはclinical implementationをJAMA、 Lancetのように記載していないので読者各自でしっかりと考える必要があります。

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CHA₂DS₂-VAScスコア

心房細動患者の脳梗塞発症リスク

HAS-BLED スコア

抗凝固療法中心房細動患者の出血リスク

エリキュース錠5mg

【NEJM】アピキサバン、無症候性AFの脳卒中リスク減も大出血は増加
血液凝固第10a因子 (F10a) 阻害薬

背景

無症候性AFは脳卒中リスクを2.5倍上昇させるとされるが、 経口抗凝固療法による治療の有用性は不明であった。

研究デザイン

対象

ペースメーカー、 植込み型除細動器、 心臓モニターにより検出された、 6分~24時間の持続するAFを有する患者 4,012例を対象とした。

年齢76.8±7.6歳、 CHA₂DS₂-VASc 3.9±1.1点、 追跡3.5±1.8年

介入

1 : 1の割合で2群に無作為に割り付けた。

 - アピキサバン群  2,015例

    アピキサバン5mgを1日2回または2.5mgを1日2回投与

 - アスピリン群  1,997例

    アスピリン81mgを1日1回投与

主要評価項目

脳卒中または全身性塞栓症の発生率

無作為に割り付けた全患者で評価

大出血の発生率

on-treatment集団で評価

研究結果

脳卒中または全身性塞栓症の発生率はアピキサバン群で有意に減少した

 - アピキサバン群 : 0.78%/人年

 - アスピリン群  : 1.24%/人年

  HR 0.63、 p=0.007
95%CI 0.45-0.88/人年

大出血の発生率はアピキサバン群で有意に増加した

 - アピキサバン群 : 1.71%/人年

 - アスピリン群  : 0.94%/人年

  HR 1.80、 p=0.001
95%CI 1.26-2.57/人年

結論

無症候性AFにおいて、 アピキサバンはアスピリンに比較して脳卒中や全身性塞栓症リスクを減少させた一方で、 大出血リスクは増加した。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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