【NEJM】未診断のCOPD・喘息、 呼吸器専門医による早期介入で医療機関利用が減少
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【NEJM】未診断のCOPD・喘息、 呼吸器専門医による早期介入で医療機関利用が減少

【NEJM】未診断のCOPD・喘息、 呼吸器専門医による早期介入で医療機関利用が減少
Aaronらは、 未診断のCOPDおよび喘息の成人を特定し、 呼吸器専門医による早期に診断および治療を行う有効性について、 プライマリケア医による通常治療の患者を対照に多施設共同無作為化比較試験で検証。 その結果、 呼吸器専門医により早期に診断・治療を行った患者では、 その後の呼吸器疾患による医療機関の利用が減少することが明らかとなった。 本研究はNEJMにおいて発表された。

📘原著論文

Early Diagnosis and Treatment of COPD and Asthma - A Randomized, Controlled Trial. N Engl J Med. 2024 May 19. PMID: 38767248

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究の最大のlimitationはテキストにも言及がありますが Canadian health care systemに限定した研究である点です。 この手法と同様のやり方で他の地域に展開できれば良いと思います。

🔢関連コンテンツ

COPDの病期分類 (GOLD分類)

GOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)

CAT (COPD評価テスト)

COPDの治療評価

BODE指数 ADO指数

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の生存期間予測

COPD・喘息患者の受診率は低い

多くのCOPDや喘息患者は診断を受けていないため、 呼吸器症状はほとんど治療されていないのが現状である。

早期からの専門医介入効果を検証

対象は未診断のCOPDや喘息患者

カナダの地域社会で特定された、 未診断だが症例発見法により特定された呼吸器症状を有する成人508例を対象とした。

専門医介入群と通常ケア群に割り付け

- 専門医による介入群 : 253例

ガイドラインに基づく治療を開始するよう指示された呼吸器専門医と喘息/COPD指導員による評価を実施

- プライマリケア医による通常治療群 : 255例

医療機関利用率を比較

呼吸器疾患に対する自主的な医療機関利用の年間発生率を主要評価項目とした

介入群の医療機関利用が減少

専門医介入群は 「自主的な医療機関利用の年間発生率」 が約52%減少

- 専門医介入群 : 0.53件

- 通常治療群  : 1.12件

発生率比 0.48 (95%CI 0.36-0.63、 p<0.001)

健康関連QOL、 FEV₁も優位に向上した

SGRQスコア

- 専門医介入群 :ベースラインより10.2点↓

- 通常治療群  : ベースラインより6.8点↓

群間差 -3.5点(95%CI -6.0~-0.9点)

COPD評価テスト

- 専門医介入群 : 3.8点↓

- 通常治療群 : 2.6点↓

群間差 -1.3点 (95%CI -2.4~-0.1点)

1秒量 (FEV₁)

- 専門医介入群 : 119mL↑

- 通常治療群 : 22mL↑

群間差 94mL (95%CI 50-138mL)

有害事象の発生は両群で同程度だった

- 介入群 : 21例に24件

- 通常ケア群 : 14例に16件

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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