海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
設楽氏らは、 未治療の切除可能な局所進行胃/食道胃接合部 (G/GEJ) 腺癌を対象に、 化学療法への抗PD-1抗体ペムブロリズマブの上乗せの有効性および安全性について、 第III相二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-585で検討した。 その結果、 ペムブロリズマブの上乗せは化学療法単独と比べて病理学的完全奏効率 (pCR) は達成されたものの、 無イベント生存期間 (EFS) の有意な延長は認められなかった。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
事前に優勢試験に対する有意なp値を0.0178と設定したために、 FESに関して、 ペムブロリズマブ併用群 : 44.4ヵ月、 プラセボ併用群 : 25.3ヵ月、 HR 0.81 (95%CI 0.67-0.99)、 p=0.0198ですが有意差なし、 となっています。
未治療G/GEJ腺癌、 周術期ペムブロリズマブ上乗せでpCR達成するもEFS延長せず : KEYNOTE-585
未治療G/GEJ腺癌における周術期化学療法+免疫チェックポイント阻害薬併用療法の有用性は不明である。
未治療で切除可能な局所進行G/GEJ腺癌を有し、 ECOG PSが0~1である18歳以上の患者
メインコホートではペムブロリズマブ併用群とプラセボ併用群に分け、 少数コホートでは同様にペムブロリズマブ併用群とプラセボ併用群に分けた。 また、 患者は地理的地域、 腫瘍の病期、 化学療法の背景因子によって層別化された。
【メインコホート】
804例を以下の2群に1 : 1で割り付けた。
【少数コホート】
203例を以下の2群に1 : 1で割り付けた。
群間差 10.9% (95%CI 7.5-14.8%)、 p<0.0001
ペムブロリズマブ併用群でプラセボ併用群より長かったものの、 有意差は認められなかった。
HR 0.81 (95%CI 0.67-0.99)、 p=0.0198
HR 0.90 (95%CI 0.73-1.12)
Grade3以上の有害事象 (AE) 発生率
治療関連AE
未治療で切除可能な局所進行G/GEJ腺癌に対し、 化学療法にペムブロリズマブを上乗せすることで、 化学療法単独と比べてpCRは有意に改善した。 しかし、 EFSの有意な改善には結びつかなかった。 安全性プロファイルは既報と一貫していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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