【Lancet Oncol】未治療G/GEJ腺癌、 周術期ペムブロリズマブ追加でpCR改善もEFSは改善せず
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【Lancet Oncol】未治療G/GEJ腺癌、 周術期ペムブロリズマブ追加でpCR改善もEFSは改善せず

【Lancet Oncol】未治療G/GEJ腺癌、 周術期ペムブロリズマブ追加でpCR改善もEFSは改善せず
設楽氏らは、 未治療の切除可能な局所進行胃/食道胃接合部 (G/GEJ) 腺癌を対象に、 化学療法への抗PD-1抗体ペムブロリズマブの上乗せの有効性および安全性について、 第III相二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-585で検討した。 その結果、 ペムブロリズマブの上乗せは化学療法単独と比べて病理学的完全奏効率 (pCR) は達成されたものの、 無イベント生存期間 (EFS) の有意な延長は認められなかった。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Neoadjuvant and adjuvant pembrolizumab plus chemotherapy in locally advanced gastric or gastro-oesophageal cancer (KEYNOTE-585): an interim analysis of the multicentre, double-blind, randomised phase 3 study. Lancet Oncol. 2023 Dec 19:S1470-2045(23)00541-7. PMID: 38134948

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

事前に優勢試験に対する有意なp値を0.0178と設定したために、 FESに関して、 ペムブロリズマブ併用群 : 44.4ヵ月、 プラセボ併用群 : 25.3ヵ月、 HR 0.81 (95%CI 0.67-0.99)、 p=0.0198ですが有意差なし、 となっています。

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ESMO2023 学会レポート

研究の背景

未治療G/GEJ腺癌における周術期化学療法+免疫チェックポイント阻害薬併用療法の有用性は不明である。

研究デザイン

対象

未治療で切除可能な局所進行G/GEJ腺癌を有し、 ECOG PSが0~1である18歳以上の患者

介入

メインコホートではペムブロリズマブ併用群とプラセボ併用群に分け、 少数コホートでは同様にペムブロリズマブ併用群とプラセボ併用群に分けた。 また、 患者は地理的地域、 腫瘍の病期、 化学療法の背景因子によって層別化された。

メインコホート】

804例を以下の2群に1 : 1で割り付けた。

  • ペムブロリズマブ併用群 (402例)
  • 術前療法として化学療法*+ペムブロリズマブ200mg IV (以下、 全て3週おき) を3サイクル、 術後には化学療法+ペムブロリズマブを3サイクル、 その後はペムブロリズマブを最長11サイクルまで投与
*シスプラチン80mg/m² IV (day1) +カペシタビン1,000mg/m² (1日2回経口投与、 day1-14) またはシスプラチン80mg/m² IV (day1) +5-FU 800mg/m² IV( day1-5、 最大4,000 mg/m²)
  • プラセボ併用群 (402例)

【少数コホート】

203例を以下の2群に1 : 1で割り付けた。

  • ペムブロリズマブ併用群 (100例)
  • 術前療法としてFLOT** (2週おき、 4サイクル) +ペムブロリズマブ200mgIV (以下、 全て3週おき) を3サイクル、 術後にはFLOT+ペムブロリズマブ、 その後はペムブロリズマブを最長11サイクルまで投与
**5-FU 2600mg/m²+ロイコボリン200mg/m²+オキサリプラチン85mg/m²+ドセタキセル50mg/m²
  • プラセボ併用群 (103例)

主要評価項目

  • intention-to-treat集団における病理学的pCR率
  • 担当医評価によるEFS
  • 全生存期間 (OS)

研究結果 (メインコホートのみ抜粋)

追跡期間中央値47.7ヵ月時のpCR率

  • ペムブロリズマブ併用群 : 12.9%
(95%CI 9.8-16.6%)
  • プラセボ併用群 : 2.0%
(95%CI 0.9-3.9%)
群間差 10.9% (95%CI 7.5-14.8%)、 p<0.0001

EFS中央値

ペムブロリズマブ併用群でプラセボ併用群より長かったものの、 有意差は認められなかった。

  • ペムブロリズマブ併用群 : 44.4ヵ月
(95%CI 33.0ヵ月-NR)
  • プラセボ併用群 : 25.3ヵ月
(95%CI 20.6-33.9ヵ月)
HR 0.81 (95%CI 0.67-0.99)、 p=0.0198

OS中央値

  • ペムブロリズマブ併用群 : 60.7ヵ月
(95%CI 51.5ヵ月-NR)
  • プラセボ併用群 : 58.0ヵ月
(95%CI 41.5ヵ月-NR)
HR 0.90 (95%CI 0.73-1.12)

安全性評価

Grade3以上の有害事象 (AE) 発生率

  • ペムブロリズマブ併用群 : 78%
  • プラセボ併用群 : 74%

治療関連AE

  • ペムブロリズマブ併用群 : 26%
  • プラセボ併用群 : 24%

結論

未治療で切除可能な局所進行G/GEJ腺癌に対し、 化学療法にペムブロリズマブを上乗せすることで、 化学療法単独と比べてpCRは有意に改善した。 しかし、 EFSの有意な改善には結びつかなかった。 安全性プロファイルは既報と一貫していた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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