【JAMA Netw Open】グラム染色によるVAP治療、 広域抗菌薬の減薬に効果
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2年前

【JAMA Netw Open】グラム染色によるVAP治療、 広域抗菌薬の減薬に効果

【JAMA Netw Open】グラム染色によるVAP治療、 広域抗菌薬の減薬に効果
人工呼吸器関連肺炎 (VAP) と診断された患者を対象に、 グラム染色所見による抗菌薬選択制限とガイドラインに基づく広域抗菌薬療法の臨床効果を比較する多施設共同非盲検無作為化臨床試験を実施 (GRACE-VAP試験). 結果、 グラム染色所見による治療はガイドラインに基づく治療と比較して非劣性であり、 VAP患者における広域抗菌薬の使用量を有意に減少させることが示された. 本研究は、 JAMA Netw Open誌において発表された.

研究デザイン

  • VAPと診断され、 mCPIS≧ 5の15歳以上の患者206名が対象.
  • 以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた.
  • グラム染色所見による抗菌薬治療群

(以下、 グラム染色群) :103名

  • ガイドラインに基づく抗菌薬治療群

(以下、 ガイドライン群) :103名

  • 主要アウトカムは臨床的な奏効率.
臨床奏効は14日以内の抗菌薬治療の終了、 ベースラインに比較してX線所見が改善または無増悪であること、 肺炎の徴候・症状の消失、 抗菌薬の再投与がないことと定義
  • 副次的アウトカムは、 抗緑膿菌薬とMRSA薬を使用した患者の割合、 28日後までの死亡率、 ICU未使用日数、 人工呼吸器離脱日数、 有害事象など.

研究結果

主要アウトカム

  • 臨床的な奏効率
  • グラム染色所見群 76.7%
  • ガイドラインベース群 71.8%

(リスク差 0.05、 95% CI -0.07~0.17) .

副次的アウトカム

  • グラム染色群はガイドライン群に比し、 抗緑膿菌薬の使用は30.1% (95%CI 21.5~39.9%) 、 抗MRSA薬の使用は38.8% (95%CI 29.4~48.9%) 少なかった.
  • 28 日間の累積死亡率
  • グラム染色群:13.6%
  • ガイドライン群:17.5%
  • 培養結果に応じた抗菌薬エスカレーション
  • グラム染色ガイド群で6.8%
  • ガイドラインベースで1.0%
  • ICU未使用日数、 人工呼吸器離脱日数、 有害事象に各群間の有意差はなかった.
結論:グラム染色に基づいた治療は、 ガイドラインによる治療と比較して非劣性であり、 VAP患者における広域抗菌薬の使用量を有意に減少させることが示された.

原著

Yoshimura J、 et al、 Effect of Gram Stain-Guided Initial Antibiotic Therapy on Clinical Response in Patients With Ventilator-Associated Pneumonia: The GRACE-VAP Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Apr 1;5(4):e226136. PMID: 35394515

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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