海外ジャーナルクラブ
28日前
Sandsらは、 中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象に、 抗腫瘍壊死因子様サイトカイン1A (TL1A) モノクローナル抗体tulisokibartの有効性を第Ⅱ相試験ARTEMIS-UCで検討した。 その結果、 tulisokibartが臨床的寛解を導入する上でプラセボよりも有効であることが明らかとなった。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。
遺伝子検査の結果効果が期待されるコホート2で臨床的寛解がプラセボ群が11%あるのに対して、 全体でのコホート1では臨床的寛解がプラセボ群で1%しかないのは、 潰瘍性大腸炎の疾患の特徴とも言えます。
Tulisokibartは、 中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎の治療薬として開発中のTL1Aモノクローナル抗体である。 効果を得られる可能性が高い患者を同定するため、 遺伝子検査が設計された。
グルココルチコイド依存性、 または従来の治療または先進治療が無効であった中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象に、 以下の群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は12週時点での臨床的寛解とした。
コホート1 (135例) には、 遺伝子検査の結果に関わらず患者全例を組み入れた。 コホート2 (43例) には、 遺伝子検査の結果が陽性でtulisokibartの効果が期待される患者を組み入れた。 主要解析はコホート1を対象に行った。
コホート1において臨床的寛解が得られた患者の割合は、 tulisokibart群で26%、 プラセボ群で1%であり、 tulisokibart群で有意に高かった (差25%ポイント、 95%CI 14-37、 p<0.001)。
コホート1と2において、 治療効果が得られる可能性が高いと判定された患者は75例であった。
この患者群において、 臨床的寛解が得られた患者の割合はtulisokibart群が32%、 プラセボ群が11%であり、 tulisokibart群がプラセボ群よりも高い割合を示した (差21%ポイント、 95%CI 2-38、 p=0.02)
登録された全患者において、 tulisokibart群とプラセボ群の有害事象の発現率は同程度であり、 ほとんどの有害事象は軽度~中等度であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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