MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公
1年前
Factors Impacting the Yield of Image-Guided Biopsy in Native Vertebral Osteomyelitis: A 10-Year Retrospective Study

研究デザイン
後ろ向きコホート研究。 2011年1月~6月に行われた、 椎体骨骨髄炎患者の骨生検データを収集した。
対象
椎体骨骨髄炎が疑われ、 骨生検を受けた18歳以上の患者209例。
脊椎インプラントを有する症例、 感染以外の診断目的 (悪性腫瘍など) で生検した症例、 別の病態を示す結果となった症例は除外された。
主な評価項目
微生物検出率 (初回生検および再生検を含む)
抗菌薬使用の有無と中断期間
吸引液の有無およびその成功率
プロセス関連要因 (生検に使用された針のサイズや培養方法など)
微生物検出率は再生検を含めると57.9%
初回生検での検出率は52.6%であり、 再生検を含めると57.9%に増加した。 再生検を受けた39例のうち、 14例 (35.9%) で陽性結果が得られた。
抗菌薬の使用は検出率を約3倍低下
抗菌薬を使用した患者 (62.2%) では、 非使用患者に比べて微生物検出率が有意に低下した (37.8% vs 52.6%、 p=0.016)。
抗菌薬を4日以上中断すると検出率が向上
抗菌薬を中断した期間が長いほど検出率が向上し、 特に4日以上の中断が効果的であることが示唆された (p=0.017)。
液体吸引が実施できると検出率が約3倍増加
液体吸引が成功した場合の検出率は40.0%と、 吸引液が得られなかった場合の19.2%と比べて有意に高かった (p=0.001)。
検出微生物はグラム陽性菌が約9割
検出された微生物は、 グラム陽性菌が全体の87.1%を占めた。 特に、 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (26.4%) と黄色ブドウ球菌 (20.0%) が多かった。 他にはグラム陰性桿菌 (7.3%) や嫌気性菌 (8.2%)、 真菌 (6.4%) なども検出された。
培養方法が変わっても検出率に有意差なし
血液培養ボトルの使用は一定の効果が期待されるものの、 検出率に有意差は確認されなかった (48.8%、 p=0.052)。

本研究は、 椎体骨骨髄炎を疑った際の骨生検の診断精度向上に関する貴重な報告です。
最も注目すべき点は、 椎体骨骨髄炎を疑い骨生検を検討するとき、 すでに抗菌薬を投与されていた場合に、 適切な中断期間を判断するうえで有用なデータが示されていることです。
具体的には、 可能であれば少なくとも4日間の中断により、 骨生検の培養の検出率を向上させることができる可能性を示唆しています。
また、 生検の際に液体が吸引できるかどうかで検出率が向上することも示唆されており、 適切な画像診断に基づいた液体貯留部位の特定が重要です。
さらに本研究では、 初回の骨生検で陰性だった場合でも、 再生検を行うことで微生物検出率が向上する可能性があることを示唆しています。 リスクとベネフィットを患者と十分に共有し、 必要があれば再生検も検討されます。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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