寄稿ライター
4ヶ月前
医師の皆さん、 頑張りすぎてないですか?心身ともに疲れていませんか?連載 「医師のためのボディメンテナンス」 の6回目では、 乾燥した冬の時期にありがちな眼精疲労やドライアイをやわらげるセルフケアをご紹介します。
目を使う作業を続けることを原因として、 目の疲れや痛みなどの症状に加えて、 頭痛や肩こりなどの全身症状も自覚する状態を指します。 パソコンやスマートフォンなどを用いた業務を長時間する機会も多く、 VDT症候群 (Visual Display Terminals症候群) の一環として増加傾向です。
症状は多岐に渡り、 目の症状としては、 「目がしょぼしょぼとする」 「目の奥が痛む」 「目がかすんだりぼやけたりする」 「視点を移動したときすぐにピントがあわない」 「目が充血する」 など。 体の症状としては、 「肩や首が凝る」 「頭痛がする」 「けだるい (倦怠感) 」 「吐き気がする」 などが挙げられます。
眼精疲労に対する鍼灸やツボ刺激の効果は、 ①眼血流 (網脈絡膜) の改善、 ②毛様体筋の機能向上、 ③涙腺分泌亢進などによる症状の緩和――が報告されています。 すなわち、 体性-自律神経反射による機能改善です。
それでは、 ツボの場所と刺激方法を伝えます。 【図1】に示す太陽穴というツボがあります。
このツボはこめかみの場所で目の外側のくぼんだ場所です。 そこを机の上に肘を乗せて両手の四指でゆっくり押してみてください【図2】。
「痛気持ちいい」 程度の強さで、 1回3~5秒かけて3~4回押してみてください。 慣れてきたら円をかくように四指を動かします。 1回転を1秒くらいの速さで3~4回行ってください。
どうでしょうか?押した後、 目の周りがすっきりした感じしませんか?
次に【図3】に示す攅竹穴というツボがあります。
眉毛の中心部のくぼんでいるところにあり、 目の周りのむくみや疲れを取り除くツボで有名です。 肘を机に乗せて、 【図4】のように目頭の上の骨に親指を当て、 骨を押し上げるように3~5秒かけて3~4回押します。
強さは痛気持ち良い程度で。 更に【図5】のように、 目の下の骨のところに四指を置き、 眼窩に指を入れるようなイメージでゆっくりと3~5秒かけて3~4回押します。
どうでしょうか?目の疲れが軽くなった感じはありませんか?目やその周辺の血流が良くなり、 涙の分泌も促進され、 すっきりした感じがあると思います。 目の下のくまにも効果があります。
冬の乾燥した部屋でPCやスマホなどで長時間作業する際、 数分のツボ刺激が目の疲れを軽減し、 仕事の能率も上がります。 目薬など外部から加えるものと違い、 ツボ刺激は自分自身の持つ自然治癒力を利用した血流促進や涙分泌促進です。
ツボ刺激や鍼灸は、 その治癒力をサポートするツールです。 是非、 日々の生活の中で利用してみてください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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