【Lancet】新規腸管作用型経口剤「Nefecon」が原発性IgA腎症に有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Lancet】新規腸管作用型経口剤「Nefecon」が原発性IgA腎症に有効

【Lancet】新規腸管作用型経口剤「Nefecon」が原発性IgA腎症に有効
Lafayetteらは、 原発性IgA腎症の患者を対象に、 ブデソニドの新規の腸管作用型経口剤Nefeconの有効性と安全性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験NeflgArdで検討。 その結果、 Nefeconは、 9カ月間の治療でプラセボと比較し、 臨床的に意義のあるeGFR低下および蛋白尿の持続的な減少をもたらし、 忍容性も良好であることが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。

📘原著論文

Efficacy and safety of a targeted-release formulation of budesonide in patients with primary IgA nephropathy (NefIgArd): 2-year results from a randomised phase 3 trial. Lancet. 2023 Aug 14;S0140-6736(23)01554-4. PMID: 37591292

👨‍⚕️監修医師のコメント

2年間でeGFRで5程度の差ですが、 この差が長期的にどのように得られるのか、 長期アウトカムが注目されます。

🔢関連コンテンツ

クレアチニンクリアランスの推算式

Cockcroft-gault式による推算値

eGFR の計算

クレアチニンまたはシスタチンCによる推算糸球体濾過量

背景

IgA腎症は、 慢性免疫介在性腎疾患で腎不全の主な原因である。 Nefeconは、 ブデソニドが腸管で徐々に放出され、 腸粘膜で作用するようデザインされた経口剤である。

研究デザイン

対象

eGFR 35~90mL/分/1.73m²、 持続性蛋白尿 (尿蛋白-クレアチニン比0.8g/g以上または蛋白尿1g/24時間以上) を呈する原発性IgA腎症を有する成人患者 (18歳以上)

介入

患者を以下の群に1:1で無作為に割り付け

  • Nefecon群:182例
Nefecon 16mg/日
  • プラセボ群:182例

両群ともに9カ月間投与

主要評価項目

2年間のeGFRの時間加重平均値

研究結果

2年間のeGFRの時間加重平均

プラセボ群に対してNefecon群で統計学的に有意な治療効果を示した。

  • Nefecon群:-2.47 mL/分/1.73m² (95%CI -3.88--1.02)
  • プラセボ群:-7.52 mL/分/1.73m² (95%CI -8.83--6.18)
  • 群間差:5.05mL/分/1.73m² (95%CI 3.24-7.38、 P<0.0001)

治療中の有害事象の発現

末梢浮腫

  • Nefecon群:17% (182例中31例)
  • プラセボ群:4% (182例中7例)

高血圧

  • Nefecon群:12% (182例中22例)
  • プラセボ群:3% (182例中6例)

筋痙攣

  • Nefecon群:12% (182例中22例)
  • プラセボ群:4% (182例中7例)

ざ瘡

  • Nefecon群:11% (182例中20例)
  • プラセボ群:1% (182例中2例)

頭痛

  • Nefecon群:10% (182例中19例)
  • プラセボ群:8% (182例中14例)

治療に関連した死亡

治療に関連した死亡は報告されなかった。

結論

Nefeconは、IgA腎症患者において、 臨床的に意義のあるeGFRの低下と蛋白尿の持続的な減少をもたらした。 また、 同薬治療の忍容性は良好であり、 局所作用型経口ブデソニド製剤として期待される安全性プロファイルを示した。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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